2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11205204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺崎 誠 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20111586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 泰憲 北海道大学, 水産学部, 教授 (30196133)
木村 伸吾 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (90202043)
杉本 隆成 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
磯田 豊 北海道大学, 水産学部, 助教授 (10193393)
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Keywords | 生物資源 / 日本海 / 環境モニタリング / 動物プランクトン / イカ類 / 予測モデル |
Research Abstract |
日本海のスルメイカ資源変動を支える秋から冬(増加した場合は春も含む)の再生産海域は、温暖な年が続くと対馬海峡を挟んで日本海南西部から東シナ海に広く拡大し、秋から冬にかけての連続した再生産環境の好適化をもたらしている。これに対して、寒冷な年が続くと、秋の再生産海域は、温暖期と同様に常に日本海南西海域に形成されるが、冬から春にはその海域は東シナ海のはるか南に分離するため、特に冬から春の再生産環境が狭小化される。津軽半島沖の定点Tにおいて1997年4月5日から毎月1回のプランクトン採集とCTD観測を実施した。50m層水温は夏季には20度以上の最高値を示し1〜月の冬季には10度以下になった。200m層水温は50m層に比べると季節変動の幅が小さく、3〜8度の範囲にあり、上下混合行われている冬〜春季には高く、躍層が発達している夏〜秋季には低い。300m層の水温は日本海固有水の影響で周年2度以下であった。動物プランクトン生物量は年による変動が大きいが、植物プランクトンの増殖後の春季5-6月が高く、石狩湾,中部日本海、渡島半島沖(Hなどと同じであった。動物プランクトンの中で一番量の多いカイアシ類生物量は全動物プランクトン生物量同様に5月頃に50-100mg/m3で極大を示した。日本海でカイアシ類を主要な餌生物とする毛顎類生物量は年間を通した変動が小さく(0.2-26.0mg/m3)、1998年、1999年は秋に極大を示した。全動物プランクトン中で毛顎類の占める割合は2.6-35.4%(平均16.0%)、毛顎類生物量に対するカイアシ類生物量の割合は0.9-25.0倍(平均4.6倍)で、春に高く、秋〜冬に低い傾向が見られた。また東シナ海における黒潮に伴う前線波動の時空間特性を係留系による長期測流とCTDによる断面観測および海面水温の衛星画像等を用いて調べ、魚卵・仔稚魚の輸送経路を明らかにした
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[Publications] Terazaki, M.: "On the polyps of Aureria aurita found in kagoshima Bay"Journal of Oceanography. 58. 451-459 (2002)
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[Publications] Terazaki, M.: "Abundance and community structure of chaetognaths in the northern Indian Ocean"Plankton Biology & Ecology. 49. 27-37 (2002)
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[Publications] 桜井泰憲: "スルメイカの再生産機構に関する実験生物学的研究"日本水産学会誌. 68. 301-304 (2002)
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[Publications] Sakurai, Y: "Diet of the mesopelagic fish Notoscopelus japonicus associated with the continental slope off the Pacific coast"Fisheries Science. 68. 1032-1038 (2002)
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[Publications] Sugimoto, T.: "Transport of larval jack mackerel estimated from trajectories of satellite-tracked drifter"Fish. Oceanogr.. 11・6. 329-336 (2002)