2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11205207
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古谷 研 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30143548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮本 浩志 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10164807)
武田 重信 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (20334328)
高橋 正征 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50111357)
石丸 隆 東京水産大学, 水産学部, 教授 (90114371)
才野 敏郎 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (60126068)
|
Keywords | 基礎生産 / 植物プランクトン / 北東アジア縁辺海 / 海色 / GOOS / NEAR-GOOS / 海洋環境モニタリング |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、光生物学的諸特性のデータベース構築を行った。5月の長崎大学長崎丸および同鶴洋丸航海による東シナ海観測、9月の淡青丸KT-01-13次航海による相模湾観測、東京水産大学青鷹丸航海による相模湾での毎月観測、および5〜6月の岩手県大槌湾における沿岸観測により、基礎生産力、光合成量子収率、生体蛍光特性、植物プランクトン光吸収係数、光合成色素、水中分光照度および上向き分光輝度、太陽光放射の時空間変動を解析した。得られた結果から精度評価を経て順次、データベース化を進めている。 OCTSおよびSeaWiFS画像から、日本海および東シナ海における月間クロロフィルおよび基礎生産マップを作成した。昨年度までの成果により北東アジア縁辺海域の基礎生産力は、SeaWiFSの標準アルゴリズムであるVGPM法では過大評価されることが明らかになっているため、日本周辺海域のデータを加えて検討した結果、P^boptは水温とクロロフィルaの関数で表すことによって補正するアルゴリズムが得られた。このアルゴリズムをSeaWiFSで得られたクロロフィルa、AVHRRによる海面水温、SeaWiFSによる海面PARの月間マップから得られるp^bopt、C_<surf>、Z_<eu>に適用して日本海および東シナ海の基礎生産マップを作成した。その結果、1998年と1999年では春季ブルームの形成規模が大きく異なることが明らかになった。5月の基礎生産力を東経135°線について見ると、北緯41.5°付近では1998年の生産が高いが、その他の海域では1999年の方が高く、日本海全体としても1999年の生産が高いことが認められた。このような基礎生産の年-年変動が植食者の生産を制御し、漂泳生態系の生産力全体に影響を及ぼしていることについて、本領域研究の動物プランクトン班の成果とあわせて解析を進めている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 平譯 享: "QFT法及び現場型水中分光吸光度計による植物プランクトンの光吸収スぺクトル測定プロトコル"海の研究. 10. 471-484 (2001)
-
[Publications] Furuya, K.: "Phytoplankton dynamics in the East China Sea in spring and summer as revealed by HPLC-derived pigment signatures"Deep-Sea Research II. (印刷中). (2002)
-
[Publications] 岸野 元彰: "海水の光吸収係数の測定"海の研究. 10. 537-560 (2001)
-
[Publications] 石川 輝: "東シナ海大陸棚上に分布する珪藻類休眠期細胞のブルーム発生における潜在的重要性"日本プランクトン学会報. 48. 85-94 (2001)
-
[Publications] 鈴木光次: "クロロフィル蛍光による植物プランクトンの光合成活性の測定"日本プランクトン学会報. 49(印刷中). (2002)
-
[Publications] 石坂丞二: "沿岸域での海色リモートセンシングの現状と将来"沿岸海洋研究. 39. 21-26 (2001)