2003 Fiscal Year Annual Research Report
データ収集と測定器シミュレーション技術の開発と建設
Project/Area Number |
11207205
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
尼子 勝哉 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50044772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真鍋 篤 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助手 (90202332)
神前 純一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (60169787)
渡瀬 芳行 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (70018662)
長坂 康史 広島工業大学, 電子工学科, 助教授 (20299655)
藤本 順平 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90202291)
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Keywords | 測定器シミュレータ / ATLAS測定器 / LHC実験 / Geant4 / 物質と素粒子相互作用 / QoS / Trafficshaping技術 / ギガビットイーサネット |
Research Abstract |
ATLASデータ収集システムのギガビットイーサネットを用いたイベントビルダで必要なCongestion controlを実現するため、ハードウエアでのQoS (Quality of Service)機能を持たないイーサネットに、ソフトウエアQoSによるtrafficshaping技術をイベントビルダに適用する研究を進めている。前年度までの基礎研究においてはQoS技術は有効であることが示された。今年度は大規模なテストベッドを用い、実際使用されるDataFlowソフトウエアを使用して、QoS技術を適用し、その評価を行った。PushおよびPullシナリオという2つのDataFlowアーキテクチャを用いてQoS技術がどのように有効かどうかを評価した。その結果、QoSを適用しない場合、Pushシナリオにおいて性能の劣化が観測されたが、QoSを適用することにより、著しい改善がなされとことが実証された。この結果は2003年のTechnical Design Reportに反映され、評価された。 一方、測定器シミュレーションの研究においては、過去の一連の実用性検証からATLASシミュレーション・フレームワークの信頼性および安定性は確立されている。しかし、検証過程で新たに明らかになってきたことは、フレームワークの基礎となっている汎用シミュレーション・ツールキットGeant4で採用されている物質と素粒子相互作用のさまざまな物理過程記述の正当性の問題である。本年度はGeant4の物理過程の正当性の検証を、特に物質と粒子の電磁相互作用に重点をおいてシステマティックに検証していく枠組みの構築を試みた。検証の方針としては、ミクロおよびマクロの両視点から行うこととし、ミクロ検証は各種NISTデータとしてまとめられている電磁相互作用の微分断面積、減衰係数データ等のGeant4での再現性を課題とした。また、マクロ検証は、各国の高エネルギー実験グループがテストビームを使って行う測定器試験のデータとGeant4との比較結果を収集し、まとめる方針をとった。現在、この作業が進行している。
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[Publications] Y.Yasu, Y.Hasegawa, Y.Nagasaka, M.Shimojima: "Trigger/DAQ group, Summary of Studies on ATLAS Data Collection Software with QoS"EDMS note, ATL-DQ-TR. 0004. (2003)
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[Publications] Y.Yasu, Y.Hasegawa, Y.Nagasaka, M.Shimojima: "TDAQ DataFlow community, Performance Measurement of ATLAS Data Collection Software with QoS"The 13th IEEE-NPSS Real Time Conference 2003, Montreal, Canada, May 18-23, 2003. (印刷中). (2003)
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[Publications] S.Agostinelli, J.Allison, K.Amako, 他: "Geant4 - a simulation toolkit"Nucl.Instru.Meth.. A506. 250 (2003)
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[Publications] K.Murakami, K.Amako, T.Sasaki, 他: "Development of an Interface for Using EGS4 Physics Process in Geant4"Computing in High Energy and Nuclear Physics, 2003 ePrint physics. 0306076. (2003)
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[Publications] T.Koi, K.Amao, T.Sasaki, 他: "Interfacing the JQMD and JAM Nuclear Reaction Codes to Geant4"Computing in High Energy and Nuclear Physics, 2003 ePrint physics. 0306115. (2003)