1999 Fiscal Year Annual Research Report
先端技術及び高機能材料を利用した都市施設の耐震性向上
Project/Area Number |
11209205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川島 一彦 東京工業大学, 工学部, 教授 (20272677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家村 浩和 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10026362)
笠井 和彦 東京工業大学, 応用セラミック研究所, 教授 (10293060)
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Keywords | 新技術 / 高機能材料 / 耐震設計 / 地震 / 橋梁 / ダンパー / 免震 / 制震 |
Research Abstract |
都市施設を構成する基本的なインフラストラクチャーである建物、橋梁を主対象として(1)先端技術/高機能材料を用いたインテリジェント免震・制震構造の開発と、(2)先端材料/高機能材料を用いた高じん性構造の開発を目的としている。本年度は初年であり、以下の研究を行った。 1)先端技術及び高機能材料を用いたインテリジェント免震、制震構造の開発 (1)並列結合/直列結合ダンパーの開発に関しては、個々の要素である粘弾性ダンパー材料の性能実験、解析モデル化を行い、剛性と粘性の温度・振動数依存性や非線形性を明らかにすると同時に、解析モデルが実験と合うことを示した。また、摩擦ダンパーに用いる摩擦板の性能実験、解析モデル化を行い、摩擦係数に対する様々なパラメーターの影響を小片の摩擦板を用いて検討し、振動数依存性は無視できることも確認した。これらの粘弾性材と摩擦材の直列結合からなるダンパーの実験・解析研究を行い、解析が実験と合うことを確認し、さらにそれぞれの材料の変形分担量を簡便に予測する方法も提案した。 (3)MRダンパーを用いたバリアブルダンパーの開発に着手した。今年度はバリアブルダンパーのモデル化と電算プログラムの開発、MRダンパーの基礎的な作動特性を検討した。 (4)新しく開発した、制震用実大ダンパーの動的応答裁可試験機(未来開拓事業による特許取得済み)を用いて、粘性型、粘弾性型のダンパー3種類の性能評価を行った。それぞれの変位、速度、反力の振幅による線形性ならびに周波数依存性の検出法を開発した。さらにこれらのダンパーの特性が、地震応答に及ぼす影響についても、検討した。 2)先端技術及び高機能材料を用いた高じん性構造の開発 (1)部分的にスパイラルカラムで高拘束を加えたDensely Arranged Spiral Column(橋脚)を提案し、中空断面矩形橋脚に適用してこのじん性を繰り返し載荷実験で検討した。この結果、在来型の橋脚に比較して高いじん性が確保できることがわかった。 (2)カーボンファイバーシートと帯鉄筋によるコンクリート柱の横拘束効果を検討するとともに、CFSで周方向に巻き立て補強した円形RC橋脚の耐震補強効果を繰り返し載荷実験で検討した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 細谷学、川島一彦: "炭素繊維シートで横拘束したコンクリート柱の応力度〜ひずみ関係に及ぼす既存帯鉄筋の影響とその定式化"土木学会論文集. 620/V-43. 25-42 (1999)
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[Publications] Kawashima, K., and Shoji, G.: "Effect of Restrainers to Mitigate Pounding between Adjacent Decks"12th World Conference on Earthquake Engineering. 1435. (1999)
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[Publications] 米田慶太、川島一彦、庄司学: "炭素繊維シートを用いて耐震補強した円形断面鉄筋コンクリート橋脚の繰り返し載荷実験"第3回地震時保有耐力法に基づく橋梁の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集. 111-114 (1999)
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[Publications] 庄司学、川島一彦、宇根寛、剱持安伸、長谷川恵一、島ノ江哲: "緩衝材物性および載荷/除荷周波数が異なる場合のゴム製緩衝装置の応力度〜ひずみ関係"第3回地震時保有耐力法に基づく橋梁の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集. 221-226 (1999)
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[Publications] 星恵津子、川島一彦、庄司学: "桁間衝突を緩和させるための圧縮側および引張側緩衝装置の有効性に関する研究"第3回地震時保有耐力法に基づく橋梁の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集. 233-236 (1999)
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[Publications] Higgins, C., and Kasai, K.: "Discussion of The Dynamic Response of Wood-Frame Shear Walls with Viscoelastic Dampers"Earthquake Spectra. Vol. 15, No. 4. 835-839 (1999)
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[Publications] Clark, P., Aiken, I., Tajirian, F.F., Kasai, K., Ko, E., and Kimura, I.: "Design Procedures for Buildings Incorporating Hysteretic Damping Devices"Proceedings, International Post-SmiRT Conference on Seismic Isolation Passive Energy Dissipation and Active Control of Vibration of Structures,. 1-21 (1999)
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[Publications] Clark, P., Aiken, I., Ko, E., Kasai, K., and Kimura, I.: "Design Procedures for Buildings Incorporating Hysteretic Damping Devices"Proceedings, Annual Convention, Structural Engineers Association of California. 1-17 (1999)
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[Publications] 寺本道彦、笠井和彦: "粘弾性、弾塑性体直列結合ダンパーの制振効果に関する研究:その1"日本建築学会大会講演梗概集. Vol.B-2 構造II. 975-976 (1999)
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[Publications] 槙島健太郎、笠井和彦、寺本道彦: "粘弾性、弾塑性体直列結合ダンパーの制振効果に関する研究:その2"日本建築学会大会講演梗概集. Vol.B-2 構造II. 977-978 (1999)
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[Publications] 笠井和彦、大熊潔: "粘弾性ダンパー制振構造の近似解法:その1―1自由度系の全体減衰モデルについて"日本建築学会大会講演梗概集. Vol.B-2 構造II. 1001-1002 (1999)
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[Publications] 大熊潔、笠井和彦: "粘弾性ダンパー制振構造の近似解法:その2―多自由度系の全体減衰モデルについて"日本建築学会大会講演梗概集. Vol.B-2 構造II. 1003-1004 (1999)