2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11213101
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
和田 英太郎 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (40013578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲山 隆司 北海道大学, 大学院・地球環境学研究科, 教授 (60178233)
菊澤 喜八郎 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50271599)
広瀬 忠樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90092311)
武田 博清 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60109048)
小池 孝良 北海道大学, 北方生物圏フィールド化学センター, 教授 (10270919)
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Keywords | 水系 / 大気中の二酸化炭素 / 炭素サイクル / 森林 / 土壌 / 渓流水 / 湖 / 窒素サイクル |
Research Abstract |
本研究では、この水系を森林・土壌系と陸水系に大別し、地球環境変動、特に大気二酸化炭素の増加に対する「森林系の応答」と「水系の応答」の二つの研究項目を設定した。主な研究対象地域と実験系は以下の通りである。 1.北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林水系 2.京都大学芦生演習林並びに琵琶湖-淀川集水域(桐生実験地、河川、湖) 3.名古屋大学構内都市林 4.東北大学オープントップチェンバー(OTC)システム(草本対象) 5.その他、海外学術調査あるいは基盤研究(B)(2)による北方タイガ林、ヤクーツク、バイカル湖-モンゴル上流域、キナバル、タイ国チェンマイ・サカエラートなどにおいて森林・湖沼の研究を行った。 今年度は、本特定領域研究の最終年度にあたり、まとめの報告会を公開シンポジウムとして平成14年2月24日から26日にかけて、北海道大学学術交流会館で開催した(参加者約70名)。21件のトピックス報告と、各計画研究班の成果報告と評価委員による評価会議を実施した。その結果を成果報告書および評価報告書にまとめた。 成果の要点は以下のようにまとめられる。 1.森林生態系における炭素吸収に関しては、(i)OTC法による生理・生態的な基礎的知見を群落にスケールアップする方法、(ii)個葉及びシュートのフェノロジーから林冠における炭素吸収モデルを構築する方法、(iii)リタートラップ法や幹の生物量増大から積み上げによる方式、これらの知見をモデル化するパイプモデルの構築による100年のタイムスケールの応答予測、(iv)詳細な定期観測による炭素・窒素収支の解明がなされた。 2.水系の応答に関しては、森林の変化に対する渓流水の化学成分の変化、森林から流入する溶成有機物や無機栄養塩(N、P)の河川、湖における変動、さらには大気へのフィードバック経路としての、CO_2、CH_4、N_2O放出のメカニズムの解明等が進捗した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hikosaka, K., Hirose, T.: "Nitrogen uptake and use of competing individuals in a Xanthium canadense stand"Oecologia. 126. 174-181 (2001)
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[Publications] Koike, T., Kitao, M., Maruyama, Y., Mori, S., Lei, T.T.: "Leaf morphology and photosynthetic adjustments among deciduous broad-leaved trees within the vertical canopy profile"Tree Physiology. 21. 951-958 (2001)
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[Publications] Kimura K, Yumoto T, Kikuzawa K.: "Fruiting phenology of fleshy-fruited plants and seasonal dynamics of frugivorous birds in four vegetation zones on Mt.Kinabalu,Borneo"Journal of Tropical Ecology. 17. 833-858 (2001)
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[Publications] Murase, J., Sugimoto, A.: "Methane in sediments of Lake Biwa : Spacial distribution of abundance and stable isotopic composition"Geochemical Journal. 35. 257-263 (2001)
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[Publications] Yoshimizu, C., T.Yoshida, M.Nakanishi, J.Urabe: "Carbon sinking flux and zooplankton grazing in Lake Biwa"Limnology. 2. 37-43 (2001)
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[Publications] Ohta, T., Hiyama, T., Tanaka, H., Kuwada, T., Maximov, T.C., Ohata, T., Fukushima, Y.: "Seasonal variation in the energy and water exchanges above and below a larch forest in eastern Siberia"Hydrological Processes. 15. 1459-1476 (2001)
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[Publications] 彦坂幸毅: "環境への順化と適応 植物生理学シリーズ 第5巻環境応答 寺島一郎編"朝倉書店. 187-195 (2001)