1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11214201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西浦 康政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄 伸一郎 横浜市立大学, 総合理学研究科, 助教授 (30201362)
太田 隆夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50127990)
小林 亮 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60153657)
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Keywords | メゾパターン / 相分離 / 自己複製パターン / パルスダイナミクス / 反応拡散系 / 自己相似時空パターン |
Research Abstract |
今年度の主要な成果と現状および今後の展開 1.高分子共重合系等における非局所相互作用を伴う相分離現象の解明 このような系では変分法的手法によるGlobal minimizerの存在については知られているが、一方で多くのlocal minimizerの存在もある。これらが自然な初期値から出発したとき必ずしもGlobal minimizerに落ちるわけではないことが数値的に示すことができた。界面ダイナミクスの導出とその解析は現在進行中である。とりわけ高次元空間におけるminimizerの形状決定はパターン選択問題にも関連し今後の展開が期待される。 2.自己複製パターンのPulse interaction approachによる解析 Gray-Scottモデルの自己複製ダイナミクス対する力学系的観点からの厳密理論を展開した。これにより例えば数値実験で確認されていた「端に位置するパルスのみが分裂可能」という事実をいくつかの仮定の下で証明することが可能となった。一般に分岐点近傍におけるPulse interaction approachによるダイナミクスの抽出が可能となることが明らかになりつつあり、これと計算機支援による大域分岐研究を合わせることにより、今後様々なダイナミクスの全体像が除々に解明されると思われる。 3.遷移ダイナミクスの計算機支援によるその大域分岐論的研究 Gray-Scott系においては自己複製パターンを初め、時空カオス等様々なパターンが存在する。しかしそれらの転移がどのような機構でおきるのかはほとんど知られていない。計算機支援による大域分岐解析により、分岐解の幾何学的相互関係がそのようなダイナミクスの発生や消滅を制御していることが明らかになった。 4.自己相似時空パターンの数理的解明 Self-organized generator系、興奮系等において、自己相似な時空パターンが多くの散逸系において数値的に発見されてきている。これらを生み出す数理的機構として、ダイナミクスのseparatrix、例えば分裂と消滅の境目の不安定解の不安定多様体の振舞いが鍵となりうることが示唆されている。いわば最不安定解から全体のダイナミクスを構成しようという立場であり、今後の展開が期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Nishiura: "A skelton structure of self-replicating dynamics"Physica D. 130. 73-104 (1999)
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[Publications] I.Ohnish: "Analytical Solutions describing the phase separation driven by a free energy functional containing a long-range interaction term"Chaos 9. 2. 329-341 (1999)
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[Publications] Y.Nishiura: "A new criterion for the onset of spatio-temporal chaos in the Gray-Scott model"GAKUTO International Series, Mathematical Sciences and Applications.
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[Publications] R.Kobayashi: "Equations with Singular Diffusivity"J. Stat, Phys.. 95. 1187-1220 (1999)