1999 Fiscal Year Annual Research Report
放射光と可視レーザー光との組み合わせによる新しい分光法
Project/Area Number |
11215210
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
鎌田 雅夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60112538)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 耕一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90212034)
大柳 宏之 電子技術総合研究所, 電子基礎部, 主任研究官
浅香 修治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00167876)
|
Keywords | 放射光 / レーザー / ポンプ・プローブ / X線分光 / 光電子分光 / 内殻分光 / 高エネルギー加速器研究機構 / 分子科学研究所 |
Research Abstract |
本研究では、(1)光励起により生じる構造変化を、正確に測定し、光誘起構造変化の微視的機構を解明する方法論を確立する。そのため、新しいポンプ・プローブX線分光法を開発し、それを用いて光励起状態の局所配位と格子緩和のダイナミクスを解明する。また、(2)可視レーザーと放射光の組み合わせに基づく新しい内殻光電子分光法や蛍光分光法を確立し、光によって誘起される電子構造や表面構造の変化、ならびに表面反応などのダイナミクスを解明することを目的としている。 本年度は、(1)X線励起蛍光の高速X線信号処理システムを高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所のビームラインBL13に整備した。このビームラインは、最大磁場1.5Tの27極ウイグラーに繋がっており、光エネルギーが4-25keVのX線を、2.5x10-4のエネルギー分解能で使うことができるので、大抵の物質のXAFS分光を行うのに適している。今後は、このシステムの整備を一層進め、時間分解機能を有するこの強力なXAFSシステムの利用を行う予定である。 (2)また、レーザー励起下の光電子分光を行うことができるシステムを岡崎国立共同研究機構分子科学研究所のビームライン6A2に準備中であり、11年度は時間分解測定系の構築、高速レーザー測定系の整備および試料作成などを行った。 以上の成果の一部は、鎌田、大柳が日本放射光学会の企画講演をはじめとする多くの研究会で報告し、高い評価を受けた。また、今春の物理学会のシンポジュームや応用物理学会でのシンポジュームなどでも招待講演をする予定である。
|
-
[Publications] V.B.mikahailik et al.: "Amplification of impurity-associated Auger-free Iuminescence in mxed rubidium-caesium chloride crystals under core-level excitation with undulator radiation"Optics Commun.. 171. 71-76 (1999)
-
[Publications] T.Tsujibayashi et al.: "Resonant enhancement effect on two-photon absorption due to excitons in alkaline-earth fluorides excited with synchrotron radiation and laser light"Phys.Rev.B. 60. 8442-8445 (1999)
-
[Publications] M.Kamada et al.: "Nano-Second Desorption of Alkali Fluorides Excited by Synchrotron Radiation Pulses"J.Electron spectroscopy and Related Phenom.. 101/103. 599-602 (1999)
-
[Publications] H.Inoue et al.: "Mechanism of a Teraherts Optical Kerr Shutter with a gold nanoparticle"J.Phys.Soc.Jpn. 68. (1999)
-
[Publications] S.Hataoka et al.: "High density excitation effects of excitons in ZnSe guantim wells・・・"J.Luminescence. (in press). (2000)