2000 Fiscal Year Annual Research Report
余剰活性汚泥を用いた生物分解性プラスチック生産に関する検討
Project/Area Number |
11217203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 弘泰 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90251347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味埜 俊 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60166098)
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Keywords | 活性汚泥 / 余剰汚泥 / 生分解性プラスチック / ポリヒドロキシアルカノエイト |
Research Abstract |
活性汚泥を用いた生分解性プラスチックPHA(ポリヒドロキシアルカノエイト)の生産について、特に活性汚泥の持つPHAの生産能力に及ぼす種々の影響因子や、PHA生産能力の安定性について検討を行った。 実下水処理場の活性汚泥を植種汚泥とし、実験室内にて嫌気好気式活性汚泥プロセスを運転した。そこから得られた余剰活性汚泥は1日1回引き抜き、好気条件下で酢酸を摂取させる回分実験を行うことにより、活性汚泥のPHA生産能力を評価した 活性汚泥のPHA生産能力に影響を及ぼす因子に注目すると、次のような結果が得られた。(1)活性汚泥プロセスの運転におけるpHの影響は、7〜8付近では小さい。しかし、pH6では負の、また、pH9では正の影響がみられた。(2)PHA生産反応には、pHは中性よりもやや高めの方がよい。(3)流入水中の酢酸の割合は、高い方がよい。(4)有機物容積負荷は、検討した範囲内では大きな影響を及ぼさなかった。(5)汚泥滞留時間(SRT)の影響について3日、と10日を比べると、10日の方がよいとの結果が得られた。PHA生産能力は、連続的に50%以上のPHA蓄積を達成することは難しいが、40〜50%の間を持続することは可能であることを示す結果となった。 また、PHAの原料として酢酸とプロピオン酸の混合物を投与した場合、3-ヒドロキシ吉草酸(3HV)を含むPHAが得られる。酢酸とプロピオン酸の比を3:2とした場合、得られるPHAの組成は3-ヒドロキシ酪酸(3HB)と3HVのモル比でほぼ50%〜60%の間で推移した。 以上の結果から、活性汚泥を用いても、ほぼ安定したPHA生産を行うことが可能であることが示された。
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[Publications] Takabatake,H.,Satoh,H.,Mino,T.,and Matsuo,T.: "Recovery of Biodegradable Plastics from Activated Sludge Processes"Water Science and Technology. 42(3/4). 351-356 (2000)