2001 Fiscal Year Annual Research Report
余剰活性汚泥を用いた生物分解性プラスチック生産に関する検討
Project/Area Number |
11217203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 弘泰 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90251347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味埜 俊 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60166098)
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Keywords | 活性汚泥 / 余剰汚泥 / 生物分解性プラスチック / ポリヒドロキシアルカノエイト(PHA) / 3-ヒドロキシ-2-メチル吉草酸 / 嫌気好気式活性汚泥法 |
Research Abstract |
PHA(ポリヒドロキシアルカノエイト)は生物分解性プラスチックとして注目されている。下廃水処理に用いられる活性汚泥中にもPHAを合成する細菌が多数存在し、そうした細菌を利用することにより活性汚泥を用いてPHAを合成することが可能であると考えられる。しかしながら、活性汚泥中のPHA蓄積細菌の種構成やそのダイナミクスについては不明な点が多い。また、活性汚泥を用いて3-ヒドロキシ-2-メチル吉草酸を構成成分として含むPHAを合成できることが知られているが、この成分を含むPHAはこれまでに純菌系での生成が確認されていない。そこで、本年度は活性汚泥中のPHA蓄積細菌を含む細菌群集の構成とその安定性を解明すること、および、活性汚泥中に存在するそうした特殊なPHA生産細菌について知見を得るための検討をおこなった。すなわち、酢酸やプロピオン酸を含む基質を用いて嫌気好気式活性汚泥プロセスを運転し、PCR-DGGE法によりその微生物叢を解析することにより、細菌群集構造の変化や主要構成細菌群集の同定を試みた。 酢酸基質の場合、プロピオン酸基質の場合とも、細菌群集構造は50日程度の運転期間内で大きく変化していることが確認された。また、細菌群集構造の変化は、リン除去活性など嫌気好気式活性汚泥プロセスの水処理性能の変化とも関連していた。さらに、PCR-DGGE法で得られたバンドを切り出して塩基配列を解析した結果、酢酸基質の場合、プロピオン酸基質の場合とも、嫌気好気式活性汚泥におけるPHA蓄積細菌としてRhodocylus属近縁の細菌が有力であるとの結論が得られた。この結果は、これまでの生物学的リン除去を目的とした嫌気好気式活性汚泥プロセスに関する研究者らの報告とも一致している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takabatake, H., Satoh, H., Mino, T., Matsuo, T.: "PHA Production Potential of Activated Sludge Treating Wastewater"Proceedings of the Fifth International Symposium on Waste Management Problems in Agro-Industries. Ed. by H.Tsuno, Shiga, Japan, 16-18, Nov., 2001. 123-130 (2001)
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[Publications] Onuki, M., H., Satoh, H., Mino, T.: "Analysis of Microbial Community that Performs Enhanced Biological Phosphorus Removal in Activated Sludge Fed with Acetate"Proceedings of the 3rd International Specialized Conference on Microorganisms in Activated Sludge and Biofilm Processes. Rome, Italy, 13-15, June, 2001. 98-105 (2001)
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[Publications] Satoh, H., Mino, T.: "Biopolymers Vol.3a, Ed. by Doi, Y and Steinbuchel, A.,の一部の章Production of PHAs from activated sludge"Wiley VCH. 18 (2001)