2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11217206
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
竹内 茂彌 富山大学, 教育学部, 教授 (20019053)
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Keywords | 自然環境下 / グリーンプラスチック / 生分解性評価 |
Research Abstract |
6種類のグリーンプラスチックの試験片(バイオポール、ビオノーレ、マタービー、ラクティ、セルグリーン、ユーペック)および複合材料の試験片を、土壌中、河川水中、海水中、下水処理槽中および暴露の条件下に設置している。本年度は244日、360日の試験片を取り出し、重量測定、引張試験、走査電子顕微鏡による観察およびFT-IRの測定などを行った。 設置場所による重量保持率の変化は、昨年度の120日までとほぼ同じ傾向であった。下水処理槽中での重量変化が特に大きいのは、活性汚泥中に微生物が豊富に存在するためと考えられる。 試験片の種類による重量保持率の変化も、昨年度の120日までとほぼ同じ傾向で推移しているが、下水処理槽ではビオノーレ、ユーペック、バイオポールの重量変化がさらに一段と大きくなり、360日目の重量保持率は、バイオポールが40%、ユーペックが10%、ビオノーレはすでに240日目で消失していた。マタービーはどの場所でも60%から80%の重量保持率を示しているが、試験片の厚さと幅はあまり変化していないので、主としてでんぷんが分解・溶出しているためと思われる。 360日目のバイオポールのFT-IRの測定結果では、-OHの吸収が大きく、カルボン酸エステルの-C=Oの吸収が小さくなっている。そして、あらたにカルボン酸の-C=Oの吸収が現れていることから、エステル結合のところで分解していることが推測される。マタービーは、でんぷんとポリビニールアルコール(PVA)とのポリマーアロイであるが、その吸収スペクトルでは、早い段階からでんぷんの吸収が小さくなり、PVAの吸収には変化が認められないので、この段階ではでんぷんの分解・溶出だけが生じていると思われる。
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