2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11217206
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
竹内 茂彌 富山大学, 教育学部, 教授 (20019053)
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Keywords | 自然環境下 / グリーンプラスチック / 生分解性評価 |
Research Abstract |
6種類のグリーンプラスチック(バイオポール、ビオノーレ、マタービー、ラクティ、セルグリーン、ユーペック)の試験片を、土壌中(農場、庭地、産廃埋立地)、河川水中、海水中、下水処理場の活性汚泥中および暴露の条件下に600日間設置し、定期的にその試験片を取り出し、重量測定、引張試験、走査電子顕微鏡による観察、FT-IR、NMR、粘度の測定などを行った。本年度で、600日間全ての試験片についての測定を終了した。 重量変化の結果からは、自然環境下での試料別の分解性は設置場所に関係なく、マタービー>ビオノーレ>バイオポール、セルグリーン>ユーペック>ラクティーの順に高い傾向が認められた。また、6ヶ所の設置場所別の分解性を比較すると、農場、河川水>海水>暴露>産廃埋立地>産廃埋立地の順に高い傾向が認められ、海水中よりも淡水中で、土壌においては土壌成分やpHなどの環境条件に影響し、場所によって分解性に差が生じることが分かった。また、分解は微生物の活動が活発になる夏に促進することも確認された。 なお、自然環境下とは異なるが、活性汚泥中ではあらゆる試料で分解が早いことが認められたので、生分解性プラスチックの廃棄場所として有効なのではないかと考えられる。 分解のメカニズムついては、FT-IRおよび^1Hおよび^<13>C NMRの測定結果からバイオポールではエステル結合が切断し、中間生成物としてアルコールとカルボン酸が生じること、ブレンド系プラスチックであるマタービーではデンプンが、セルグリーンではポリカプロラクトンが選択的に分解していることも確認できた。 また、ビオノーレ、ユーペックおよびラクティーでは粘度測定から分子量の低下が認められた。
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