2002 Fiscal Year Annual Research Report
金属含有触媒による脂肪族ポリエステル系新規生分解性高分子の開発
Project/Area Number |
11217211
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白浜 博幸 広島大学, 地域共同研究センター, 助教授 (60127660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 久司 広島大学, 地域共同研究センター, 助教授 (40106802)
安田 源 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00028200)
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Keywords | 生分解性高分子 / 脂肪族ポリエステル / ラクチド / カプロラクトン / デプシペプチド / 光学活性 / 官能基化共重合体 / 反応性二重結合 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり,これまでの成果をもとに実用化可能な共重合体について,より詳細な合成・物性・生分解性の検討を行なった.また,種々の官能基を有する共重合体についても同様な検討を行なった. 以前の研究においてポリ乳酸,すなわちポリラクチド[Poly(LA)]の主鎖に環状デプシペプチドである3,6-ジメチル-2,5-モルホリンジオン(DMO)を共重合して導入することにより,共重合体の酵素分解性が大きく向上することを報告した.DMOはアミノ酸(ここではアラニン)とオキシ酸誘導体(ここでは2-プロピオニルブロミド)から調製した.このうちアミノ酸の光学異性を変化させると分解性は大きく変動するが,オキシ酸誘導体の光学異性を変えても分解性にはほとんど影響を与えないことがわかった.この二元(DMO/LA)共重合体にカプロラクトン(CL)を導入した,DMO/CL/LA三元共重合体が分解性と物性のバランスが最も良く取れていることが最終的に判明した. 生分解性高分子をいろいろな用途に用いるには,また機能性を持たせるためにはPoly(LA)のような脂肪族ポリエステルだけでは困難である.そこで我々は,種々の官能基を有するラクトン類を新たに合成し,これらとLAとの共重合体を調製することを試みた.その結果,水酸基を有するラクトンとLAとの共重合体では酵素分解性が大きく向上することがわかった.また,反応性二重結合を有するラクトンとLAとの共重合体を合成後,これを種々の条件下で官能基変換することにより二重結合/エポキシ/ジオールの三つの官能基組成を任意にコントロールすることが可能であった.さらに,この共重合体から化学修飾により架橋体を合成することにも成功した.
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[Publications] Hiroyuki Shirahama: "Highly Biodegradable Copolymers Composed of Chiral Depsipeptide and ^L-Lactide Units with Favorable Physical Properties"J. Polym. Sci., Part A : Polym. Chem.. 40. 302-316 (2002)
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[Publications] Chikara Tsutsumi: "Enzymatic Degradation of Copolymers of ^L-Lactide with Cyclic Carbonates"Macromol. Biosci.. 2. 223-232 (2002)
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[Publications] 白浜 博幸(井上義夫監修): "グリーンプラスチック最新技術(基礎編第4章「新規ラクチド共重合体の合成」)"(株)シーエムシー出版. 304 (2002)