1999 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気的条件下でのポリエステルの生分解とその分解機構
Project/Area Number |
11217214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
齊藤 光實 神奈川大学, 理学部, 教授 (80025717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和仁 神奈川大学, 理学部, 助教授 (20221088)
小笠原 強 神奈川大学, 理学部, 教授 (20167315)
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Keywords | 生分解性 / 生分解性ポリエステル / ポリ-3-ヒドロキシ酪酸 / ボリヒドロキシアルカノエート / PHB / PHA / PHB分解酵素 / 嫌気 |
Research Abstract |
(1)嫌気(微好気)条件でのPHB分解菌の単離とPHB生分解:河川、湖並びに海の水を微生物源に用いて、炭素源としてPHBを含む液体培地をフラスコに気相が無くなる様に充満させた後、密栓をして集積培養を行った。その後単一コロニーを分離して、PHBを分解するコロニーを選抜した。現在約10種類のコロニーが得られ、単離菌のリボソームRNA遺伝子の解析を開始した。また既知のPHB分解酵素遺伝子のプロモーター部分をβ-ガラクトシダーゼあるいはオワンクラゲの蛍光蛋白質の構造遺伝子につないで大腸菌に導入し、酸素濃度による発現調節を調べる目的でベクターの構築を行っている。 (2)真菌のPHB分解酵素の単離とその遺伝子のクローニング:多様な生分解の様式を知るために、Penicillium funiculosumのPHB分解酵素の単離を行った。この酵素の分子量は約34,000であり、セリン残基を活性中心に持つエステラーゼであった。PHB分解活性は、R.pickettii T1に比べて1/50であり、3-ヒドロキシ酪酸の2量体、3量体エステルに対するVmaxは10倍以上であった。細菌のPHB分解酵素の分子量が5万前後であるのに対し、この酵素の分子量は小さく、また性能も異なっている。新しい型の分解酵素と考えている。 (3)PHAの窒素代謝に及ぼす影響:淡水メダカを異なる条件下で飼育し、ポリエステルの水質に及ぼす影響を水中のアンモニア、硝酸、亜硝酸イオンの濃度並びにメダカの鰓と腎臓の変化を見る計画を立て、実験を開始した。砂、フィルター、ポリエステル並びにメダカの4種類の要素を組み合わせた11種類の水槽を屋外に、砂、フィルター、メダカに生分解プラスチックの有無の2水槽を屋内に設置した。屋外の水槽は温度調節をせず、屋内の水槽は25℃に調節してある。ポリエステルが硝酸イオンの濃度の上昇を抑える傾向が認められた。
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