2001 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気的条件下でのポリエステルの生分解とその分解機構
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11217214
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
齊藤 光實 神奈川大学, 理学部, 教授 (80025717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 照幸 神奈川大学, 総合理学研究所, 客員研究員
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Keywords | 生分解性 / 生分解性ポリエステル / ポリ-3-ヒドロキシ酪酸 / ポリヒドロキシアルカノエート / PHB / PHA / PHB分解酵素 / 嫌気 |
Research Abstract |
(1)Ralstonia eutrophaにおける細胞内PHB分解酵素の細胞PHBの蓄積に対する影響-R.eutrophaの細胞内PHB分解酵素遺伝子欠損株と細胞内3HB-oligomer hydrolase遺伝子欠損株ならびに両遺伝子を共に欠く欠損株を作製し、PHBの蓄積量を野生株と調べた。野生株と3HB-oligomer hydrolase遺伝子欠損株では培養後約50時間後PHB蓄積量は大きく増加し、約90時間後に最大に達したが、他の株ではこのような変化は認められなかった。このことよりPHB分解酵素遺伝子は細胞内のPHB分解だけでなくPHB合成にも関与していることが推測された。 (2)細胞内PHB分解酵素の性質-R.eutrophaの細胞内PHB depolymerase遺伝子のC末端にHis tagを付けて大腸菌から精製酵素を得た。この精製酵素を用いて阻害剤の影響を調べたところSH基の修飾剤であるPCMBが活性を強く阻害したが、活性セリン残基の阻害剤であるDFPは影響がなかった。部位特異的変異を行い183番目のシステインが活性に関与することを推定した。 (3)PHBとその関連化合物に働く加水分解酵素の基質特異性-細胞内および細胞外3HB oligomer hydrolase,細胞外PHB分解酵素の3種の酵素を用いて直鎖状ならびに環状3HBオリゴマーに対する分解性を調べた。細胞外oligomer hydrolaseは環状基質よりも直鎖状基質を良く分解したのに対し細胞外PHB分解酵素は環状基質の方を良く分解した。一方細胞内3HB oligomer hydrolaseはどちらの基質も殆ど分解しなかった。また環状3量体については細胞外PHB分解酵素、細胞内3HB oligomer hydrolaseは共に殆ど作用しなかったが、細胞外3HB oligomer hydrolaseは直鎖状のよりも3量体に良い分解活性を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Miyazaki et al.: "Properties of a Poly(3-hydroxybutyrate) depolymerase from Penicillium funiculosum"Journal of Polymers and the Environment. 8, 4. 175-182 (2002)
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[Publications] T.Saito, T.Kobayashi: "Biopolymers(3b, polyester II, chapter 2)"Wiley-VCH. 20 (2002)