プラスチック分解性好熱菌の単離とそれによるプラスチックの分解

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11217215
• Research Institution: Kanto Gakuin University
• Principal Investigator: 冨田 耕右 関東学院大学, 工学部, 教授 (80237114)
• Keywords: プラスチック分解菌 / 好熱菌 / Bacillus stearothermophilus / 脂肪族ポリエステル / ポリ(D-乳酸) / ナイロン12 / ポリ(ブチレンスクシナート / ブチレンアジパート)共重合体

Research Abstract

◎ポリエステル
ポリ乳酸、ポリ(ブチレンスクシナート-co-ブチレンアジパート)(PBSA)等、各種脂肪属ポリエステルの分解性好熱菌について前年度に引き続きスクリーニングを行うとともに、単離した菌の分解性を検討した。特に、PBSAの分解性好熱菌として単離した菌が、60℃の培養でPBSAをほとんど消滅させるだけでなく、残存PBSAの分子量も顕著に低下させていることなどを見いだした。本菌は63℃を至適生育温度とする好熱菌で、Bacillus stearothermophilusと同定された。
◎ポリ乳酸系新規高分子材料
本領域内の「化学合成ポリエステル」班で試作されたポリ(D-乳酸)およびポリ(L-乳酸)共重合体の分解菌につき共同研究を開始した。従来微生物分解が疑問視されていたポリ(D-乳酸)が好熱菌で顕著に分解されることなどを見いだしており、さらに検討を続けている。
◎その他の高分子材料
ポリエステルと類似の縮合系脂肪属ポリマーであるナイロン12などの分解が期待できる好熱菌を見いだしつつあり、現在、検討を続けている。
◎以上、今後の展開に大いに期待のもてる成果をあげることができた。なお、補助金で購入申請した設備備品はいずれも納品、設置済みであり、支障なく稼動している。

Research Products

• [Publications] K.Tomita,Y.Kuroki,N.Hayashi,Y.Komukai: "Isolation of a Thermophile Degrading Poly (Butylene Succinate-co-Butylene Adipate)"Journal of Bioscience and Bioengineering. 90・3. 350-352 (2000)
• [Publications] K.Tomita,N.Hayashi,Y.Kuroki: "Biodegradability of Poly (L-Lactic Acid) by a Thermophile"Proceedings of Fifth International Symposium on Environmental Biotechnology. (in press).