2000 Fiscal Year Annual Research Report
石炭の化学処理による鉱物質、微量金属の除去と反応生成物による炉内脱硫
Project/Area Number |
11218201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富田 彰 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80006311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 浩一 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (00292300)
京谷 隆 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (90153238)
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Keywords | 石炭 / 鉱物質 / 微量元素 / 脱硫 |
Research Abstract |
今後、大量の石炭を利用していくためには、効率よくかつ環境負荷をできる限り低減できるような石炭利用プロセスの開発が急務である。そこで、本研究では生石灰で処理した石炭を燃焼した時に硫黄発生量がいかに抑制されるかを調べるとともに、生石灰を利用した化学的脱灰法が有害微量元素の除去に有効であるか検討した。本年度に得た結果は以下の通りである。 1.以下の3通りの処理によりカルシウムを石炭上に担持させ、脱硫効率の向上を図った。 A)石灰と石炭の懸濁水溶液への炭酸ガスバブリング。B)酢酸カルシウムの担持。C)超音波照射。この結果、炭酸ガス処理により担持したカルシウムは効果的に硫黄を捕捉できなかったものの、超音波照射により担持したカルシウムならびに酢酸カルシウムは単に水和したカルシウムよりも効果的に硫黄を捕捉できることを明らかにした。 2.3種類の石炭を塩酸洗浄した場合と石灰処理した場合、微量金属の除去選択性は、元素種によって大きく異なっており、以下の3つに大別される。 ・処理法によらずあまり除去できない:クロム、セレン。 ・塩酸処理ではあまり除去されないが、石灰処理することにより除去率が向上する:ホウ素、フッ素、鉛、水銀。 ・どちらの処理でもある程度は除去される:カドミニウム、ヒ素。 これは、クロム、セレンは有機質として存在するものが多く、またホウ素、フッ素、鉛、水銀は有機質のみならずパイライトやシリケートと結合しており、ヒ素、カドミニウムは有機質と鉱物と結合して存在しているためと考えられる。石灰を用いた化学的脱灰法は鉱物の除去には有効であったが、微量金属の除去にはあまり有効でないことが明らかとなった。
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