2000 Fiscal Year Annual Research Report
安価な原料から製造したナノ微粒子複合体を用いる高効率炉内脱窒素・脱硫法の開発
Project/Area Number |
11218202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 康夫 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (20091663)
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Keywords | ナノ微粒子 / 炭素複合体 / 脱窒素 / 脱硫 |
Research Abstract |
本研究では、低コストで製造できる高機能物質を用いて、ガス化過程で発生する微量の含窒素・含硫黄化合物を、高温で効率よく除去できる方法の開発を目的としている。昨年度は、安価な原料から容易に製造できるナノ微粒子-炭素複合体が、従来のチャンピオン触媒を上回る高いNH_3分解活性を示し、新規な高温ガス精製触媒として有望であることを見出した。そこで、本年度は、MRD、TPD、TEMを用いて反応機構を調べるとともに、実用的観点から、触媒を添加しない低炭化度炭から調製した熱分解チャー上のNH_3分解能を検討した。 XRDやTPDの測定結果によると、FeまたはCaO微粒子触媒上におけるNH_3の分解は、これらの触媒成分とNH_3との反応による窒化物(Fe_4N、CaCN_2)の生成と、これに引き続いて起こるN_2への分解から成るサイクル機構で進行するものと結論される。鉱物質として微量のFeやCaを含む低炭化度炭の利用に着目し、3種類の石炭から得た熱分解チャーを用いたところ、いずれも大きな触媒効果を発揮し、特に、Fe含有量の多いチャーの性能は、昨年度に明らかにしたFe微粒子含有炭素複合体に匹敵するほど高く、850℃でNH_3を完全に分解した。この発見は、触媒の添加工程が不要になるので、実際的観点から極めて重要である。石炭のガス化プロセスで製造されるガスの主成分はH_2とCOであるのでその影響も検討し、H_2の共存はFe触媒の表面を活性な状態に保つため、その性能が向上するのに対して、H_2とCOの存在はCaCN_2の生成を抑制するので、CaO触媒は失活することが明らかとなった。今後は、実ガス中に含まれるH_2Sの影響を詳細に検討して、初期の目標であるNH_3とH_2Sの同時除去を可能にする高寿命高性能触媒の開発や反応システムの構築を目指す。
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Research Products
(1 results)