2002 Fiscal Year Annual Research Report
安価な原料から製造したナノ微粒子複合体を用いる高効率炉内脱窒素・脱硫法の開発
Project/Area Number |
11218202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 康夫 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20091663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 毅光 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30169825)
坪内 直人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90333898)
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Keywords | ナノ微粒子 / 炭素複合体 / 脱窒素 / 脱硫 |
Research Abstract |
本研究では、低コストで製造できるナノ微粒子複合体を用いて、石炭のガス化過程で発生する有害なNH_3やH_2Sを効率よく除去できる高温ガス精製法の基盤技術の確立を目的としており、ここで得られる成果は、ガスタービンもしくは燃料電池を利用する石炭ガス化複合発電の開発に貢献し、その結果、CO_2排出量の大幅な削減に寄与するものと期待される。 本プロジェクトの最終年度にあたる本年度では、実用的観点に立脚し、低品位の石炭中に元々含まれる金属イオンを触媒ソースとして活用することに着目した。5種類の低炭化度炭を単に熱分解し、昨年度と同様の反応条件下でアンモニア分解を行ったところ、分解率は炭種に著しく依存した。これらの石炭中の炭素含有量はほぼ等しいことから、石炭中に含まれる金属イオンを分析し、分解率との関係を調べた結果、鉄イオン量と良好な相関関係が存在することを見出した。TEM観察より、最も高い性能を示した熱分解チャーには、20〜30nmの鉄ナノ微粒子が生成していることが判明し、この微粒子は25時間という長時間反応でも、750℃では90%、850℃では100%の分解率を持続していることが明らかとなった。さらに、FeOOH微粒子を多量に含む鉄鉱石と石灰水を原料に用いる、Caフェライトが合成できることを見出した。大きな表面積を付与できるならば、高い性能を持つ脱硫剤の開発に発展することが示唆された。今後の課題は、脱窒素と脱硫の二段システムの有用性を検討し、新規な高温ガス精製法の基盤を確立することであろう。
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Research Products
(1 results)