2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11218203
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寶田 恭之 群馬大学, 工学部, 教授 (70154929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 佳代子 群馬大学, 工学部, 助手 (50344924)
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Keywords | 石炭 / 選炭 / メタノール / 粉砕 / 鉱物質 / 脱硫 |
Research Abstract |
本研究では安価なクリーンコール製造プロセスの開発を目的として、メタノールを利用した穏和な石炭前処理を伴う選炭法を検討した。石炭を粉砕後、鉱物質を分離することによって石炭質を回収する場合、石炭質と鉱物質との界面で粉砕することができれば、高効率な選炭プロセスが可能となる。本処理法の効果に対する炭種の影響を検討するとともに、鉱物質及び硫黄分の分布状態について調べた。12種類の石炭を用いてメタノール処理の粉砕性向上効果に対する炭種の影響を詳細に吟味した。試料をボールミルで5分間粉砕したところ、未処理炭の場合に比べて処理炭の粒子径は著しく小さくなり、メタノール前処理による粉砕性向上効果が全ての石炭において認められた。未処理炭と処理炭の粉砕試料の250μm以下の重量割合の比(X_<treat>(-250μm)/X_<untreat>(-250μm))をメタノール処理の効果とすると、処理の効果とX_<untreat>(-250μm)との間にある程度の関連があることが認められた。すなわち、もともと粉砕されにくい石炭においてメタノール処理の効果が大きいことが明らかとなった。また、粉砕、篩い分けした試料を比重分離し、それぞれのフラクションの灰分組成を蛍光X線分析により検討した。メタノール処理を施すことにより、粒子径の小さい範囲の比重1.6以上のフラクションでのFe_2O_3の含有割合が多くなり、処理によってより選択的な粉砕が行われることが分かった。粉砕篩い分け後の試料中の硫黄分を測定したところ、メタノール処理を施すことにより、粒子径の小さいフラクションの硫黄分が高くなることが認められた。 この傾向はいずれの石炭においても認められ、メタノール処理によってある程度事前脱硫が可能であるものと思われる。しかしながら、硫黄分の除去に対して顕著な効果は認められなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Takarada, M.Matsuzawa, K.Morishita: "High temperature desulfurization in coal gasifier by using Ca ion-exchanged brown coal"CCT2002, Italy, Sardinia. (2002)
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[Publications] Takayuki Takarada, Kenji Goto, Megumi Ookawa, Jie Wang, Kayoko Morishita: "A novel coal cleaning with pretreatment in methanol"225th ACS Annual meeting, New Orleans. (2002)
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[Publications] 宝田恭之, 松沢優和, 森下佳代子: "Ca担持褐炭チャーガス化時の脱硫効果"日本エネルギー学会,80周年記念大会. (2002)
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[Publications] 森下佳代子, 勝見靖弘, 宝田恭之: "Caイオン交換担持褐炭による低温脱硫"日本エネルギー学会,第39回石炭科学会. (2002)
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[Publications] 宝田恭之, 後藤賢治: "メタノール処理した石炭の諸特性"化学工学会第67年会. (2002)