1999 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質固体の容量効果を利用した流動層燃焼装置からの未燃ガスとN_2Oの排出低減
Project/Area Number |
11218204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清水 忠明 新潟大学, 工学部, 助手 (10211286)
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Keywords | 石炭 / 流動層燃焼装置 / 炭化水素 / 亜酸化窒素 / 窒素酸化物 / 多孔質固体 / 容量効果 / 熱分解 |
Research Abstract |
本研究は未燃炭化水素ならびに温暖化ガスであるN_2Oの流動層石炭燃焼からの排出低減を目的としている。無機多孔質粒子には比較的高温で炭化水素を細孔内に保持する、いわゆる「容量効果」があること、ならびにN_2O分解の触媒作用があることを本研究で明らかにした。このような粒子を流動媒体として流動層燃焼した時に実際に未燃炭化水素が減少するかどうかを明らかにするとともに、N_2OならびにNOx生成に及ぼす影響を明らかにすることを目的として実験を行った。 実験室規模の小型流動層燃焼装置内に多孔質粒子を充填して、電気炉で所定の温度に加熱しつつ装置下部から空気を供給して流動化させ、その中にプラスチックを投入して燃焼を行い、排ガスを分析することで多孔質による未燃焼分低減効果とN_2O、NOx排出に及ぼす影響を定量的に評価した。対照実験として、緻密な砂を流動媒体に用いた実験を行った。その結果、多孔質粒子未燃分低減効果があることが流動層燃焼でも見られた。また炉内水平方向濃度分布も均一化した。この結果は多孔質粒子の容量効果による炭化水素の炉内保持時間の増加と、保持された炭化水素の粒子移動に伴う水平方向の混合促進作用によって説明できた。 また、多孔質粒子は流動層燃焼装置からのNOx排出を減少させたが、N_2Oは増加させた。しかしこれは、多孔質粒子の触媒作用から期待される結果とは逆の結果であり、この現象を説明することが次の検討結果である。
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