1999 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス資源による劣質炭の環環境調和型利用技術の開発
Project/Area Number |
11218205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (80218065)
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Keywords | 石炭 / バイオマス / 燃焼 / バイオブリケット / 脱硫 / 脱硝 |
Research Abstract |
劣質炭使用国における健康と環境の管理ならびに発展途上国で大量に排出されているバイオマス資源を高度有効利用することを目的とし,本研究では,劣質炭にバイオマスを添加することによる燃焼促進技術やバイオマスの炉内吹き込みによる無触媒低NO_x燃焼技術の開発を実施する。なお,バイオマスに焦点を絞った理由は,バイオマスが現代のCO_2サイクルに基づいたエネルギー資源として位置付けることができるからであり,その有効利用によって,古代植物質を起源とする石炭の消費を抑制することが可能となり,ひいては,CO_2放出を相対的に削減することが可能となる。 本研究の初年度である平成11年度では,劣質炭とバイオマスを混合したバイオブリケットの燃焼実験と,このバイオブリケットに各種脱硫・脱硝剤を添加した場合の環境汚染物質生成・消滅特性を基礎的観点から詳細に検討した。実験は,電気加熱式バッチ反応炉を使用して,炉壁温度,炭種,バイオマス種,バイオマス混合割合,脱硫・脱硝剤添加割合などをそれぞれ変化させて,燃焼過程中の質量減少挙動と生成ガス濃度の連続計測を実施した。得られた結果として,バイオブリケットの燃焼は,燃焼初期の急激な質量減少を伴う揮発分放出・燃焼と後期の緩やか質量減少を伴うチャー燃焼の2段階で進行する。バイオブリケットの場合,燃焼初期にバイオマスの揮発分放出・燃焼が生じるので,試料内の空隙率が増加し,燃焼完結性が良好になるとともに燃焼完結時間も短縮化できる。脱硫・脱硝反応は,燃焼初期の揮発分燃焼段階においては生じにくい。脱硫剤としてホタテ貝殻を添加した場合,脱硫率は石灰石よりも高くなる。また,ホタテ貝殻は水酸化カルシウムと同程度の脱硫性能を有する。パルプ黒液を添加は、燃焼性の向上に寄与するとともに,燃焼時に自己脱硫・脱硝機能も有する。
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Research Products
(1 results)