2001 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス資源による劣質炭の環境調和型利用技術の開発
Project/Area Number |
11218205
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (80218065)
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Keywords | 石炭 / バイオマス / 混焼 / 石炭ガス化 / 溶融塩 / 高温ガス精製 |
Research Abstract |
近年、発展途上国のエネルギー消費量増加や地球規模的な環境問題への関心などを受け、化石エネルギーの新たなる環境調和型高効率利用技術の研究・技術開発が急務になっている。特に発展途上国においては、1次エネルギー源を石炭に依存している国々が多く、しかも利用している石炭は、高灰分量(20%以上)、低発熱量(20MJ/kg以下)、高硫黄・窒素含有率(各2%以上)あるいは高燃料比(5以上)などという劣質炭である。このように、発展途上国で利用せざるを得ない劣質炭を環境に調和させながらしかも高効率に有効利用するためには、劣質炭を使用している既存ボイラにバイオマスを供給し混焼させることによってボイラ性能を向上させることや将来の環境調和型高効率石炭利用技術の一つである石炭ガス化炉において、低温ガス精製の負荷を極力低減できるガス化技術の開発等が期待されている。 そこで、本研究では、劣質炭とバイオマスの混焼実験ならびに溶融アルカリ炭酸塩によるCO_2石炭ガス化実験という2つの課題を実施した。前者では、混焼条件における劣質炭の燃焼特性に及ぼすバイオマスの効果を定量的に把握するため、同一燃焼条件で、劣質炭のみ、バイオマスのみおよび劣質炭とバイオマスを質量割合で等量混合した燃料を燃焼させ、生成ガスの炉内軸方向変化等の計測を行った。一方、後者では、Na_2CO_3とLi_2CO_3という混合溶融炭酸塩へCO_2と石炭を供給し、石炭ガス化の基礎実験を実施した。 得られた知見として、劣質炭とバイオマスの混焼特性に関しては、劣質炭とバイオマスを混焼することにより、着火が容易になるとともに燃焼完結性が向上する。また、混焼条件での炉内におけるNO_x生成に関しては、石炭の影響を受ける。一方、溶融炭酸塩型石炭ガス化炉によるCO_2石炭ガス化特性に関しては、COおよびH_2の生成挙動、H_2SやCOSの脱硫挙動および排出微粒子の生成挙動を実験的に明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ichiro Naruse: "Fundamental characteristics on co-combustion of low-rank coal with biomass"Proc. of the 18^<th> Pittsburgh Intl.Coal Conf.. (CD-ROM). (2001)
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[Publications] Hee-Joon Kim: "Modeling on Combustion Characteristics of Biocoalbriquttes"J. Energy Res. Tech.. 123. 27-31 (2001)
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[Publications] 成瀬 一郎: "団体燃焼I 固体燃焼総論124,35-46,2001"燃焼研究. 124. 35-46 (2001)
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[Publications] 成瀬 一郎: "石炭の燃焼技術"日本エネルギー学会誌. 80, 4. 216-228 (2001)