2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11218210
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松方 正彦 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00219411)
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Keywords | カラム浮選 / クリーンコール / 親疎水性 / 無機成分 / 有害微量金属 / フィルム浮選 / CVD / イオンクロマトグラフィー |
Research Abstract |
本年度の検討項目は以下の3点とした。(1)連続式カラム浮選装置により、各種石炭の浮選挙動および無機成分の溶出挙動を検討した。(2)石炭-水スラリーからのアルカリ、アルカリ金属および微量金属成分の溶出挙動を検討した。簡便で高感度な多元素同時分析法としてイオンクロマトグラフィーを取り上げ分析手法の確立を目指した。(3)石炭の浮選挙動と表面状態の関係を定量的に解析するために、表面の疎水性を制御したモデル粒子を作成した。 (1)連続式カラム浮選 性質の異なる5炭種(SS011,S013,SS020,SS027,SS029)についてカラム浮選を行い、実験開始5 14分の間、精炭の浮選速度が一定となることを明らかにした。その中で、歴精炭であるSS013が精炭回収率、脱灰率ともに高くカラム浮選による分離が効率的である炭種であることがわかった。また、かっ炭のSS011が高い精炭回収率を与えたことは興味深く、浮選挙動は炭化度など工業分析値、元素分析値のみからは決定されず、表面親疎水性の分布、単体分離性の評価が必要であることがわかった。水相を分析したところ、カラム浮選中、アルカリ金属、アルカリ土類金属は、水相に溶出するが、Al、Ti、Mnの溶出はほとんどなかった。 (2)石炭スラリーからの無機元素の溶出 Na^+、K^+、Ca^<2+>の溶出量は1時間以内に終了し、各種無機元素の溶出量は、石炭濃度と1次の関係があった。他の無機イオンと比較して、SO_4^<2->の溶出量の増加速度は遅く、石炭中のS成分が徐々に酸化されSO_4^<2->が生成したと考察した。ICP-AESとイオンクロマトグラフィーによる石炭中のCo、Fe、Mnの分析値はほぼ一致し、イオンクロマトグラフィーにより微量金属イオンの定量が可能であることを示した。 (3)モデル粒子の作成 CVD処理の反応時間の検討により、ガラス粒子表面の反応量を制御し、表面の親疎水性を制御したモデル粒子の作成を行った。表面親疎水性は、フイルム浮選法で評価した。そのCVD処理粒子を酢酸ビニルでヒドロシリル化し、粒子表面の親疎水性を制御した。一方、CVD処理粒子をクロロフォルム洗浄することで、粒子表面の重合物を取り除き、親疎水性を制御した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Lin,Kikuchi,Matsukata: "Preparation of mordenite membranes on α-alumina tubular supports for pervaporation of water-isopropyl alcohol mixture"Chemical Communication. 2000. 957-958 (2000)
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[Publications] 松方正彦,小倉賢: "ドライゲルコンバージョン法によるゼオライト合成"機能材料. 20. 64-73 (2000)
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[Publications] Ogura et al.: "Remarkable Enhancement in Durability of Pd/H-ZSM-5 Zeolite Catalysts for CH_4-SCR"Applied Catalysis, B : Environmental. 27. L213-L21 (2000)
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[Publications] Ogura et al.: "Formation of uniform mesopores in ZSM-5 zeolite through treatment in alkaline solution"Chemistry Letters. 2000. 882-883 (2000)
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[Publications] Ogura et al.: "Effect of NG_4^+ exchange on hydrophobicity and catalytic properties of Al free Ti-Si-beta zeolite"Journal of Catalysis. (in press). (2001)
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[Publications] Matsukata et al.: "Quantitative analyses for TEA^+ and Na^+ contents in zeolite beta with a wide range of Si/2Al ratio"Microporous and Mesoporous Materials. (in press). (2001)
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[Publications] 松方正彦 ら(共著): "ゼオライトの科学と工学(小野嘉夫、八嶋建明 編)"講談社サイエンティフィク. 260 (2000)