2001 Fiscal Year Annual Research Report
石灰石添加型CWMによる脱硫・脱ハロゲン同時除去燃焼プロセスの開発
Project/Area Number |
11218211
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
二宮 善彦 中部大学, 工学部, 助教授 (10164633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 誠 中部大学, 工学部, 講師 (10278260)
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Keywords | CWM燃焼 / 脱硫 / CCSEM / 石炭鉱物 / 微粉炭燃焼 / 簡易脱硫 |
Research Abstract |
本研究は、石炭スラリー製造過程において石炭スラリーに脱硫・脱ハロゲン、高度脱灰などの機能を付加させ、燃焼サイドでは新たな脱硫・脱ハロゲン装置を設置しないでも容易に炉内脱硫および煙道脱硫、ならびに脱ハロゲンを実現できる新しい概念の燃料の開発することを目的に実施している。硫黄含有率の大きく異なる3種類の中国産石炭(YZHS(5.7wt%)、DT炭(1.7wt%)、YZLS炭(0.6wt%))に石灰石粒子を物理的に混合(S/Ca=1〜3)した混合燃料について燃焼実験を行い、石灰石の脱硫率の測定および脱硫反応に及ぼす石炭中の鉱物粒子の影響などを、燃焼灰のCCSEM分析から評価した。DTFによる燃焼実験から、石灰石を添加しない場合は、乾きガス基準のSO_2濃度は、硫黄含有率の高いYZHS炭、DT炭、YZLS炭の順に1200ppm、540ppm、160ppmとなったが、Ca/S=2(ただし、YZHSはCa/S=1)の条件で石灰石を石炭に添加した実験(反応時間1.8秒)では、YZHS炭が89%、YZLS炭が76%、DT炭が51%の脱硫率が達成され、簡易脱硫法として石灰石を石炭に添加する方法が有効であることが明らかになった。石炭の種類によって脱硫率が異なる原因をCCSEMによって調べたところ、脱硫率の低いDT炭の場合は、添加した石灰石粒子が石炭中のExcludeのカオリナイト粒子と短時間に反応してCa Al Silicateに変化してしまい、脱硫剤として機能しなくなってしまうことが明らかになった。添加したカルシウムの有効利用率は、YZHS、DT、YZLSの順に、70%、40%および30%となった。さらに、本年度は、岡山大学笹岡教授から提供された膨潤させた酢酸カルシウムを脱硫剤として使用したときの脱硫特性について試験したところ、膨潤させた酢酸カルシウムをDTに添加することにより、脱硫率が10〜30%向上し、微粉の粘土鉱物が多い石炭でも、適応可能なことが明らかになった。
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[Publications] Y.Ninomiya, Zhang, Lian, A.Sato: "Simultaneous Removal of SOx and Halogens under Pulverized Coal Combustion Added Fine Limestone"18th Annual International Pittsburgh Coal Conference. #15-03. (2001)
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[Publications] 張 立安, 櫻井 誠, 佐藤 厚, 二宮 善彦, 笹岡 英司: "酢酸カルシウムを添加した高硫黄炭の高温燃焼における脱硫特性"化学工学会第34回秋季大会. B215. 80 (2001)
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[Publications] 桜井誠, 二宮善彦, 鈴木宏和, 前田水脈子, 渡辺誠: "TCPによる重金属捕集"無機マテリアル学会第103回学術講演会. (2001)
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[Publications] 山口寛史, 二宮善彦, 張立安, 佐藤厚: "脱硫剤を添加した高温脱硫特性に関する研究-画像処理による灰粒子の挙動解明"第38回石炭科学会議. 78. 318-320 (2001)
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[Publications] Lian Zhang, A.Sato, Y.Ninomiya: "COSEM Analysis of Ash from Combustion of Coal Added with Limestone"The 7th China-Japan Symposium on Coal and C1 Chemistry. (2001)