2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11218212
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Research Institution | KANSAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 俊光 関西大学, 工学部, 教授 (70026045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石森 岐洋 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (00011023)
池永 直樹 関西大学, 工学部, 助教授 (20232209)
小田 廣和 関西大学, 工学部, 教授 (30067756)
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Keywords | フェライト / 硫化水素吸収剤 / 吸収剤 / 炉内脱硫 / 高温ガス精製 / 石炭ガス / IGCC |
Research Abstract |
石炭中の硫黄化合物の燃焼に伴う,SO_2排出による環境汚染、化石燃料中でCO_2排出量の最も多い石炭の高効率利用法として有望な石炭ガス化複合発電のさらなる効率の改善を目標として、石炭燃焼の炉内脱硫剤としてのカルシウム化合物、および石炭ガス化ガスの高温における脱硫剤としての高性能フェライト系化合物の調製法を検討した。 昨年度に引き続き、石炭ガス化ガスの高温脱硫剤の開発を行った。今年度はCaFe_2O_4の調製とH_2S脱硫特性を主に検討した。石炭Yallourn炭存在下にFeおよびCaの硝酸塩の混合水溶液を調製し、水を除くあるいはアンモニアを加えpHを12にし、石炭上へ水酸化物を析出させ、これらを400ないし800℃で空気気流下焼成し吸収剤を調製した。これら吸収剤を用いて,H_2Sの吸収試験を行った。CaFe_2O_4はZnFe_2O_4と比較しても遜色ない性能を示したが、Znでは出口ガス中のH_2Sはほぼ完全に0ppmになっていたが、Caでは1ppm程度を示した。この吸収剤は、酸素を用いて再生すると、Caが酸化物に戻らず、CaSO_4に転換されるため、繰り返し使用すると、吸収性能は著しく低下し、初期性能の60%になった。しかし、酸化鉄を用いると、出口ガスのH_2S濃度は10-20ppmであったのに対し、2ppmと低い値を示したことから、何らかの複合化の効果があると考えられた。 石炭の流動床燃焼の炉内脱硫剤としてのCa系SO_2吸収剤の開発を行った。蛎殻に着目し、蛎殻の吸収性能向上を図るため、既に行ってきた石炭との混合焼成を試みた。蛎殻は単味でも高い吸収性能を示したが、石炭と共焼成するとさらに吸収性能が向上した。 しかし、活性炭と共焼成しても吸収性能は何ら変わらなかった。石炭が熱分解し、ガスやタールが発生し、このものによって吸収剤の表面が改質されることが高性能化に必要なことと推察された。 また、フェライト系、酸化カルシウム系吸収剤ともにSEMを用いて、表面を観察したところ、両者ともに、表面に細かい凹凸が生じ、ガスとの接触が良好になることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Ikenaga, N.Chiyoda, H.Matsushima, T.Suzuki: "Preparation of activated carbon-supported ferrite for absorption of hydrogen sulfide at a low temperature"Fuel. 81. 1569-1576 (2002)
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[Publications] Y.Ohgaito, H.Matsushima.N.Ikenaga, T.Suzuki: "H_2S absorption behavior of ferrites prepared in the presence of coal"Abstracts of paper of ACS ENVIRONMENT. 224. 135-135 (2002)
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[Publications] N.Ikenaga, S.Yamamizu, H.Matsushima, T.Suzuki: "SO_2 Absorption Properties of CaO Prepared on Coal Char -As an absorbent in the fluidized-bed combustor -"Proceedings of 19th Annual International Pittsburgh Coal Conference. p-12. 128-128 (2002)
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[Publications] 山水宣仁, 池永直樹, 鈴木俊光: "蛎殻より調製したCaCO_3付着石炭チャーのSO_2吸収特性"第39回石炭科学会議発表論文集. 139-140 (2002)