2000 Fiscal Year Annual Research Report
大規模大気波動に伴う物質輸送とその季節変動・年々変動
Project/Area Number |
11219203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
余田 成男 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30167027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向川 均 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20261349)
堀之内 武 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助手 (50314266)
内藤 陽子 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50324603)
牛丸 真司 沼津高専, 電子制御工学科, 助教授 (70249796)
石岡 圭一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90292804)
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Keywords | 大規模大気波動 / 物質輸送 / 年々変動 / 浅水系モデル / プラネタリー波 / 傾圧不安定波 / 赤道波 |
Research Abstract |
各種大気力学モデルを用いて,対流圏-成層圏領域に卓越する大規模大気波動の非線型な動態とこれらに伴う物質輸送過程を調べた.また,モデルによる長期数値積分データと観測データを総合的に解析することにより,波動の動態の季節依存性や年々変動,経年変化の特性を明らかにした. 1.モデル開発: 球面・周期境界平面・チャネルの各領域での浅水方程式系のスペクトルモデルを開発した.それらを用いて,回転球面浅水系での乱流からの赤道ジェット形成過程,および,順圧不安定な帯状ジェットからの重力波射出問題に関して研究を行っている. 2.プラネタリー波の力学: 南半球の客観解析データ使用して,成層圏循環の季節進行と年々変動について解析した.1980年代後半以降,極渦の崩壊時期が遅くなっているのに対し,冬季半ばの極夜ジェットはむしろ弱まっているなどの特徴を見いだした.また,とくに春季の変動について,赤道QBO・太陽活動との関係を調べた.さらに,等温位面上での粒子群追跡モデルを開発し,南半球周極渦内の物質混合過程の年々変動について定量的な解析を行なった. 3.傾圧不安定波の力学: AGCMで海陸分布やSST分布を様々に仮定して長時間積分を行うことにより,対流圏で低気圧活動が活発な領域であるストームトラックの力学を調べた.ストームトラックを局在化させる要因と考えらている,下層の傾圧性や亜熱帯ジェットなどの時間平均場の東西非一様性は必ずしも重要でないことを見い出した. 4.赤道波の力学: 世界の代表的な中層大気大循環モデルにおける赤道域の波動の相互比較を行ない,モデル間で大きな違いがあること見出した.この違いは主にモデル中の降水を計算する積雲パラメタリゼーションの違いに起因することを明らかにした.さらに観測との比較に基づく評価を行った.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sobel,A.H.and T.Horinouchi: "On the dynamics of easterly waves, monsoon depressions, and tropical depression type disturbances."J.Met.Soc.Japan. 78・2. 167-173 (2000)
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[Publications] Horinouchi,T.,F.Sassi and B.Boville: "Synoptic Rossby waves and geographic distribution of lateral transport routes between the tropics and the extratropics in the lower stratosphere"J.Geephy.Res.. 105・D21. 26,579-26,592 (2000)
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[Publications] Ishioka,K.,M.Yamada,Y-Y.Hayashi and S.Yoden: "Technical approach for the design of a high-resolution spectral model on a sphere : Application to decaying turbulence"Nonlinear Processes on Geophysics. 7・112. 105-110 (2000)