1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11220206
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
世良 正文 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40196978)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 健一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00100975)
伊賀 文俊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60192473)
鈴木 孝至 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (00192617)
|
Keywords | 多極子秩序 / 軌道自由度 / 八極子相互作用 / 四重極応答 / 電局・スピン・軌道結合 / 3d・4f電子 / 少数キャリアー強磁性 |
Research Abstract |
1.多極子秩序について (1)RB_6(R=希土類元素)(2)HoB_2C_2(3)UCu_2Snの3つの系について研究が行われた。以下、順に成果を述べる。(1)CeB_6の反強四極子秩序相で磁場により誘起される反強磁性成分が奇妙な温度依存性を示すことが世良により予想されていたが、秋光グループにより行われた中性子散乱の実験で予想通りの結果が得られた。Ce_xNd_<1-x>B_6パウダーのNMRの測定から、ネール温度、反強四極子秩序温度のx依存性が明らかになったが、Ce_xLa_<1-x>B_6とは様相が異なっており、Nd^<3+>イオンのもつ四極子モーメントの反強四極子秩序に与える影響が大きいことがわかった。Nd_xLa_<1-x>B_6パウダーのNMR測定から、xの増大に伴い磁気構造が変わり、O_2^0タイプの強的四極子相互作用が小さくなることが明らかになった。(2)Ce_<0.75>La_<0.25>B_6と似た磁気相図をもつHoB_2C_2パウダーのNMR測定が東北大小野寺らとの共同研究として行われ、2つの磁気秩序相についての重要な情報が得られた。(3)UCu_2Snの比熱、弾性定数の測定が精力的に行われ、結晶場基底状態がΓ_5三重項であり、16K以下で強的四極子秩序を起こすことが明らかになった。ウラン化合物では非常に稀な四極子秩序であり、今後の発展が期待される。 2.少数キャリアー強磁性について 最近、La_xCa_<1-x>B_6(x小)で非常に高いキュリー温度をもつ強磁性が出現することが発見され話題になっているが、Caの代わりに同じ2価のYbを少量ドープしたLa_xYb_<1-x>B_6単結晶の作成に成功し、x〜0.005近傍で磁気モーメントの増大を観測した。強磁性解明の手がかりになると思われる。
|
-
[Publications] S.Kobayashi: "Transport Properties in Phase VI of Ce_xLa_<1-x>B_6"Journal of the Physical Society of Japan. 69・3. 926-936 (2000)
-
[Publications] T.Suzuki: "Quadrupolar ordering of 5f electrons in UCu_2Sn"Phys.Rev.B. 61・21. (2000)
-
[Publications] T.Suzuki: "Jahn-Teller instability in a ternary uranium compound"Physica B. 284-288. (2000)
-
[Publications] M.Tsubota: "Low-field Magnetic anisotropy in Mott-insulating Ferromagnet Y_<1-x>Ca_xTiO_3(x<0.1)"Physica B. 284-288. (2000)
-
[Publications] 世良正文: "軌道自由度がもたらす奇妙な相転移"固体物理. 35・4. 229-242 (2000)