2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11221204
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
浅沼 博 千葉大学, 工学部, 助教授 (40167888)
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Keywords | スマートマテリアル / 金属系複合材料 / 連続繊維 / アクチュエータ / センサ / アルミニウム / ニッケル / チタン |
Research Abstract |
本研究では,多重機能すなわちアクチュエータ機能,センサ機能,自己診断機能などを内在させた高温型のスマートコンポジットを創製することを目的としている.本研究では,まずSiC連続繊維強化アルミニウム(SiC/Al)複合材料を対象に,そのアクチュエータ化の検討およびセンサの開発を行った.アクチュエータ化に関しては,SiC/Al複合材料は,強化繊維を偏在・配向させ,その加熱・冷却時の熱変形を利用することにより,アクチュエータとして機能することを明らかにした.また,さらにその機能を高めるための諸因子,すなわち強化繊維の配置,繊維/マトリックス界面の状態などの影響についても検討し,十分な変形を得るに至った.センサの開発に関しては,アルミニウムに対して比較的大きな熱起電力を発生する金属線をアルミニウムから絶縁しながらその中に埋め込む方法について検討した.その結果,金属線としてはニッケル線が最適であることを明らかにした.ニッケル線を用いる場合は,アルミニウムマトリックスからの絶縁は単にその酸化膜(NiO)により実現するため,特別なコーティングが必要無いという大きなメリットが有る.また,このNiO/Ni繊維は温度ばかりでなくひずみも検出できることを明らかにした.本研究では,さらにSiC/Ni複合材料についても同様にアクチュエータ化の検討を行った結果,1200K以上の高温においても機能を発揮できることを明らかにした.今後は,さらに高機能化・多機能化を進めるため,高効率熱電ファイバなどの各種機能繊維の開発や強化繊維・機能繊維の役割に応じた繊維/マトリックス界面の協調的設計などが必要であり,各研究グループとの相互連携により実現する.
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