2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11221205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎 学 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (70201960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 輝雄 工業技術院, 産業技術融合領域研究所, 所長(研究職)
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Keywords | 協調システム材料 / スマート材料 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
まず強度特性に優れた金属/金属間化合物積層材料を作製についての検討を行った。燃焼合成法を用いた金属/金属間化合物積層材料の作製においては、金属間化合物相中に空孔ができる問題がある。そこで本研究ではNi/NiAl積層材料におけるNi層を改質するために、熱処理を施した試料を作製し、力学特性を向上させることを目的とした。出発材としてNi箔とAl箔を用い、ホットプレスによる反応焼結を利用してNi/NiAl積層材料を作製した。また作製された積層材の一部を600℃で60分間熱処理した。NiAl層の厚さがほぼ同じ約18mmでそれぞれの金属間化合物層の体積比率はV_<NiAl>=37、43、57%である。引張り強度は全般に熱処理を施すことによる向上が見られ、V_<NiAl>で比べると43%の試料が最も高かった。引張り試験後の試料側面写真からは、未熱処理材では金属層にもき裂が見られるのに対し、熱処理材では金属層にき裂は見られなかった。このような金属層での破壊形態の違いから、熱処理によるき裂進展抵抗の増加が期待される。 レーザーAEシステムのさらなる高度化について検討を行った。まず復調器改良によるS/N比向上について検討した。現在開発中のレーザーAE計測システムは、レーザー干渉計はヘテロダイン型干渉計(He-Neレーザー)であり、約1MHzまでの帯域を有している。微小なAE信号を計測するためには、S/N比(信号雑音比)の向上が有効である。そこで復調器の改良を行うことにより、感度の向上を目指した。全面的に回路を見直して雑音の低減を図るとともに、周波数帯域を400kHzまで制限することによりS/N比を向上させた。シャープペンシル芯の圧折による擬似M源による波形から、これら復調器の改良によりAE波形到達までの雑音が低減できることがわかった。
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[Publications] 榎学,太田温子,鄭棟碩,渡邊誠,岸輝雄: "Ti/Ti-Al積層材料におけるき裂進展挙動"日本金属学会誌. 64(11). 1076-1081 (2000)
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[Publications] M.Enoki,M.Watanabe,P.Chivavibul and T.Kishi: "Non-contact Measurement of Acoustic Emission in Materials by Laser Interferometry"Science and Technology of Advanced Materials. 1(3). 157-165 (2000)
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[Publications] 遠山暢之,榎学,秋宗淑雄,岸輝雄: "Si-Ti-C-O繊維結合型セラミックスにおける遊離炭素層の酸化挙動"日本セラミックス協会学術論文誌. 109(2). 143-148 (2001)
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[Publications] H.Qiu,H.Mori,M.Enoki and T.Kishi: "Fracture Mechanism and Toughness of the Welding Heat-Affected Zone in Structural Steel under Static and Dynamic Loading"Metallurgical and Materials Transactions A. 31A(11). 2785-2791 (2000)