2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11221205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎 学 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70201960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 輝雄 物質・材料研究機構, 理事長(研究職)
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Keywords | レーザー干渉計 / アコースティック・エミッション / 非破壊評価 / 金属間化合物 / 積層材料 / 自己高靭化 |
Research Abstract |
より高度な特性が材料に要求されるようになってきており,また素材と構造が一体であるような知的システム材料の開発も進められてきている.したがって,従来とは異なる材料設計のアプローチが強く望まれている.このような材料においては信頼性を確保するための新しい手法,あるいは健全性を保証し易い材料・構造の設計も重要な課題である.したがって,本研究においては,このような新しいアプローチに基づいた材料協調設計に関して,従来にはない新たな非接触非破壊評価手法についての開発を行った.また,き裂進展抑制の効果が著しいと考えられる金属/金属間化合物積層材料の作製およびその特性に関して研究を行った. アルミナ/SUS304系のコーティング材料の熱サイクル試験を行い,その際に発生する微視割れに伴うAE波形をレーザー干渉計を用いて検出することに成功した.しかし,より微小な微視割れを検出・解析を行うためには,より感度のレーザー干渉計の開発が重要である.そこで本年度は,干渉計の感度向上を目指して研究を進めた。干渉計の復調器を新たに作製し雑音の低減を図った.また,多チャンネルのレーザーを近傍に集光させることにより,雑音の低減を図る装置の作製も行った。これらの装置の開発により,S/N比の高い計測が可能となった. また,Ti-Al系積層材料の作製条件を明らかとするとともに,これらの材料の力学特性,き裂進展過程についての解析を行った.さらに,Ni-Al系積層材料について検討を行い,層厚の小さい材料の作製に取り組んだ.また,熱処理によるNi層の延性向上を目指し,積層材料のき裂進展特性の改善を試みた。また同時に,金属間化合物相の生成メカニズム,残留応力の破壊靭性への影響等について,材料設計への指針を得ることができた.
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[Publications] H.Qiu, H.Mori, M.Enoki, T.Kishi: "Effect of Welding Thermal Cycle and Cold Working on the Ductility of SN490 Steel Under Low and High-Speed Loading"Materials and Science Engineering. A316. 217-223 (2001)
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[Publications] N.Toyama, J.-H.Koo, R.Oishi, M.Enoki, T.Kishi: "Two-dimensional AE Source Location with Two Sensors in Thin CFRP Plates"Journal of Materials Science Letters. 20(19). 1823-1825 (2001)
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[Publications] 遠山暢之, 榎 学, 秋宗淑雄, 岸輝雄: "Si-Ti-C-O繊維結合型セラミックスにおける遊離炭素層の酸化挙動"日本セラミックス協会学術諭文誌. 109(2). 143-148 (2001)
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[Publications] 朴 永朝, 榎 学: "延性/脆性積層材料のき裂進展に関する数値解析的アプローチ"日本金属学会誌. 65(11). 1002-1007 (2001)