2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11223201
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山崎 巌 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80002111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 政嗣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10136525)
相田 卓三 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00167769)
大須賀 篤弘 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127886)
三室 守 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (40142004)
|
Keywords | コヒーレント光化学 / 量子コヒーレンス / 分子配列系 / 超分子 / 光合成反応中心 / 励起エネルギー移動 / 電子移動 |
Research Abstract |
本特定領域研究は平成11〜13年度において遂行され、平成14年度はその「成果取りまとめ」に関わる事業について行われた。本特定領域の成果は人工および生体系の分子連鎖配列系では電子移動や励起エネルギー移動が量子波束のコヒーレントな運動として捉えられ、その量子干渉効果を、世界ではじめて実験的に検証することに成功し、「分子配列系コヒーレント光化学」を理論および実験の両面から確立したことに集約される。平成14年7月に研究成果の評価に関わる最終ヒアリングを受け、その結果「A+」の評価を受けることができた。 この成果が学術的に革新的なものであり、その成果をひろく化学・物理の研究者に公開するために本研究「成果取りまとめ」として、平成14年11月21〜22日北海道大学において第2回公開シンポジウム「分子配列系の光化学と光分子デバイスヘの戦略」を開催した。講演者は本領域研究の計画研究代表者6名の他に15名の関連する研究者を招へいし、2日間にわたってコヒーレント光化学の量子位相に関する原理とその制御について議論を展開した。会議における主要なテーマは、(1)分子連鎖配列系の構築とコヒーレント光化学反応、(2)生体分子配列系におけるコヒーレント光化学、(3)コヒーレント光化学反応の電場効果、(4)分子配列系コヒーレント光化学の量子位相とその制御、であり、参加者60名におよび盛大なシンポジウムを行うことができた。予算は、会議の開催費用に充当され、会場設営費、講演資料印刷費、講演発表者の旅費および宿泊費などに充てられた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] I.Yamazaki, S.Akimoto: "Oscillatory excitation transfer in dithiaanthracenophane : Quantum beat in a coherent photochemical process in solution"J. Phys. Chem. A. 106. 2122-2128 (2002)
-
[Publications] M.Hasegawa, S.Enomoto, I.Yamazaki: "Intramolecular excitation energy transfer in bichromophoric compounds in stretched polymer films"J. Phys. Chem. B. 106. 4925-4932 (2002)
-
[Publications] T.Ito, I.Yamazaki, N.Ohta: "Distance dependence of the electric field effect on photoinduced electron transfer between cyanine dyes"J. Phys. Chem. B. 106. 895-898 (2002)
-
[Publications] S.Akimoto, I.Yamazaki, M.Mimuro: "Temperature effects on excitation relaxation dynamics of the carotenoids and its analogues probed by fs fluorescence"J. Phys. Chem. A. 106. 2237-2243 (2002)
-
[Publications] M.Mimuro, I.Yamazaki: "Unique fluorescence properties of a cyanobacterium Gloeobacter violaceus POC7421"Plant Cell Physiol.. 43. 587-594 (2002)
-
[Publications] Y.Arima, S.Akimoto, I.Yamazaki: "Excitation relaxation dybnamics and molecular dispersion of maltohexaose-linked tetraphenylporphyrins in aqueous solution"Chem. Phys. Lett.. 361. 152-158 (2002)
-
[Publications] 山崎 巌: "化学フロンティア・分子ナノテクノロジー"化学同人. 232 (2002)