2002 Fiscal Year Annual Research Report
最適組織制御によるマグネシウム合金の機械的特性の向上
Project/Area Number |
11225202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小池 淳一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10261588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 公一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90108465)
鈴木 真由美 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20292245)
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Keywords | マグネシウム / 機械的性質 / 変形機構 / クリープ / 組織 |
Research Abstract |
(1)AZ31-Mg合金の室温変形機構 ECAE加工後、340℃ならびに500℃で焼鈍し、配向がランダムで平均粒径がそれぞれ8umと50umの試料を得た。これらの試料にたいして室温引張試験を行い、変形後の組織観察を行なった。転位観察の結果、微細粒試料では粒内全体において底面すべりだけでなく非底面すべりが活発に生じていた。一方、粗大粒試料では非底面すべりの活動は粒界近傍に限られていた。非底面すべりの活性化は、粒界におけるひずみの連続性を保つために生じた内部応力によるものと考えられ、内部応力の及ぶ範囲が粒界に依存して相対的に変化するためであると結論できた。また、底面、非底面のいずれのすべり系も転位のバーガースベクトルはa方向であり、均一変形を実現するためには付随変形機構が必要である。この付随変形機構は、微細粒試料では粒界すべりであり、粗大粒試料では{1012}タイプの双晶形成であることが確認された。粒界すべりによるひずみは全ひずみ量の約8%であり、室温における高延性に寄与した。また、粗大粒試料において形成される双晶は、従来から言われている幾何学的条件(引張軸とc軸との相対的な方位関係)と無関係であり、双晶形成の原因は底面転位の堆積による応力集中が原因であることが明らかになった。 (2)Mg-Al-Ca合金の高温強度と変形機構 希土類元素をCaで置換することによって、低価格な耐熱Mg合金として最も期待されている合金の組織とクリープ強度の関係を調べた。クリープ強度は粒界析出物の粒界被覆率に比例して増加することが明らかになった。また、粒内析出物もわずかに強度に寄与していることが明らかになった。得られた結果をもとに、クリープ強度と組織因子の関係を定量的に記述することに成功し、組織因子からクリープ強度を見積もるための式を提案した。
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[Publications] 大山 礼: "Enhanced grain-boundary sliding at room temperature in AZ31 magnesium alloy"Materials Science Forum. 419-422. 237-242 (2003)
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[Publications] 小林 孝幸: "Anomalous activity of nonbasal dislocations in AZ31 Mg alloys at room temperature"Materials Science Forum. 419-422. 231-236 (2003)
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[Publications] 小池 淳一: "New deformation mechanisms in fine-grain Mg alloys"Materials Science Forum. 419-422. 189-194 (2003)
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[Publications] P.Andersson: "Hall-Petch parameters for tension and compression in cast Mg"Materials Science Forum. 419-422. 123-128 (2003)
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[Publications] 附田 之欣: "Newly developed heat resistant magnesium alloy by thixomolding"Materials Science Forum. 419-422. 439-444 (2003)
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[Publications] 鈴木 真由美: "Effects of zinc on creep behavior and deformation substructure of Mg-Y alloys"Materials Science Forum. 419-422. 473-478 (2003)