1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11225204
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高村 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30250715)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292242)
|
Keywords | Mg-Y-M系合金 / Mg-Al-M系合金 / 水素吸蔵合金 / 水素吸蔵放出特性 / 不均化反応 / 超高圧合成 / 出現相 / Mg基合金 |
Research Abstract |
次世代の水素吸蔵材料として期待されているMg基合金は高容量の水素吸蔵能を有するが、放出温度が高いという問題点を有する。本研究では高容量かつ放出特性の優れたMg基合金の開発を目的とし、新規Mg基三元系水素吸蔵合金の探索を試みた。 1.Mg-Al-M三元系合金(M=Ni,Cu,Si)の出現相と水素吸蔵特性 Mg-Al-(Cu,Ni)系合金ではAlが固溶したMg,Mg17Al12,MgAlCu相が出現し、MgH2の形成とMg17Al12相の不均化による水素吸蔵が確認された。しかし吸蔵放出には573K以上を必要とした。Mg-Al-Si系合金では、Mg,Mg17Al12,Mg2Si相が出現し、Mg-25Al-5Si合金(623K)において4mass%の吸蔵量と0.4MPaの放出圧を得た。 2.Mg-Y-M三元系合金(M=Ni,Cu)の出現相と水素吸蔵特性 Mg-Y-Ni系合金の出現相は、Mg,Mg24Y5,Mg2Y,Mg2NiおよびYNi3であった。Mg-10Y-10Ni合金では針状のMg主相の周囲にMg2Ni相やNi-richなC15ラーベス相が分散し水素との反応に有利な組織が形成された。また、水素吸蔵に関しては同合金において2.5mass%(373K),4.0mass%(473K),4.5mass%(573K)と低温で高い水素吸蔵量を得たものの放出温度は523K以上であり、既存のMg2Ni合金の作動温度と同程度であった。Mg-Y-Cu系合金の出現相はMg,Mg24Y5,Mg2Cuであり、水素吸蔵後はMgH2,YH2,MgCu2(C15型)の3相となった。水素吸蔵量は573Kにおいて4.0mass%(Mg-10Y-10Cu),4.4mass%(Mg-6.7Y-13.3Cu),3.4mass%(Mg-6Y-24Cu)であった。Mg-Y-Ni系とは異なり373Kにおける水素吸蔵は認められなかった。水素放出は523K以上を必要としたが、Mg-6Y-24Cu合金では523Kでの放出圧力が0.08MPaと常圧近傍となり、本研究中最も優れた放出特性が得られた。 3.高圧合成法によるMg-遷移金属系水素化物の探索 MgH2-Ni系において5GPa,1073K,2時間の高圧合成を試みたところ、Mg:Niが1:1近傍の組成を有する水素化物を得た。この水素化物はこれまでに登録されているJCPDSカードでは同定できないことから新規水素化物であると推察される。
|