1999 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール制御によるトレードオフ・バランシング高性能マグネシウム合金の創製
Project/Area Number |
11225209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
東 健司 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50173133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 敏司 大阪市立工業研究所, 主任研究員
高津 正秀 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80145812)
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Keywords | マルチスケール制御プロセス / 高比強度マグネシウム合金 / トレードオフ・バランシング / in-situ複合化プロセス / 第一原理数値計算 / 擬ポテンシャル法 / 耐熱性 / 剛性(弾性率) |
Research Abstract |
本研究では、in-situ複合化プロセスおよび強加工を利用した同時マルチスケール制御プロセスにより、電子状態(エレクトロンレベル制御)、粒界構造(アトミックレベル制御)、第2相粒子(ミクロレベル制御)、結晶粒(メゾレベル制御)、集合組織(マクロレベル制御)などの各階層での制御を行うことを目的とした。特に、高比強度マグネシウム合金の最大の弱点である耐熱性、剛性(弾性率)、衝撃特性に及ぼす材料学的な各因子の影響を解析することを目指した。さらに、これら因子の影響を定量的に評価し、各階層因子の影響のモデル化を試みることにより、最終的に、種々の特性を両立するトレードオフ・バランシングに優れた高性能マグネシウム合金を創製する事を目的とした。今年度は、時間的制限を鑑み、「in-situ複合化プロセス」の製造プロセス構築と、「電子状態、界面・粒界創造などの第一原理数値計算」のシステム構築を、主として行った。本研究で行った具体的な研究成果は以下のとおりである。 (1) in-situ Mg2Si強化マグネシウム基複合材料の創製プロセスを確立した。すなわち、急冷効果および最適バルク固化成形プロセスにより、Mg2Siの微細均一分散と結晶粒微細化の同時制御に成功した。具体的には、急冷凝固法によりSiを大量強制固溶させ、最適な熱間(温間)温度で大きなひずみ導入により発生する再結晶挙動を利用して、結晶粒の微細化(粒径1ミクロン以下)と1ミクロン以下のMg2Siを高体積率に析出させることを同時に行い、in-situ複合化を達成することができた。Mg2Siは、高温においても安定な化合物であり、また密度も小さいことから理想的な第2相複合強化粒子であるので、高強度、高剛性、高耐熱性が期待される。次年度以降は、この複合材料の諸特性を調査する予定である。 (2)第一原理計算によるマグネシウムの完全結晶体の構築を行った。本研究では、擬ポテンシャル法による第一原理計算を行ったが、マグネシウム完全結晶体の構造安定性を計算した結果、a、c軸の格子定数は報告結果とよい一致を示し、制度のよい計算結果が得られた。構築した計算システムを利用して、現在、Mg-Li合金の完全結晶体の構築を実施中である。以後、これらの基本システムおよび装置を利用して、トレードオフ・バランシングに優れた高性能マグネシウム合金の合金設計・創製を目指す予定である。
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