2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11226201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚田 捷 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 了 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20282717)
岡崎 進 東京工業大学, 総合理工学研究科, 助教授 (70194339)
渡辺 聡 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00292772)
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Keywords | 非接触原子間力顕微鏡 / 摩擦素過程 / タンパク質分子 / ナノ力学 / 表面構造 / 原子間力プローブ / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
非接触原子間力顕微鏡(nc-AFM)の機構を理論的に解明し、像の定量的解析法を開発した。測定量がナノスケールでみた物質のどのような特性を反映するのかを調べるとともに、摩擦の原子尺度素過程、表面原子種とくに吸着分子の同定法の可能性を理論的に探り、非線形・非局所系としてのナノ構造物質の力学的な性質、散逸過程などを研究した。第一原理計算から探針・表面相互作用力を計算し、これを共鳴周波数シフトに変換して非接触原子間力顕微鏡像を再現するための理論シミュレーション法を開発した。特に、その効率化のための2次元フーリエ変換法を考案し、Si(111)√3×√3-Ag表面に適用実験と比較した。今年度は、探針と表面間の相互作用エネルギーの違いを反映させ、この表面特有の熱揺らぎの効果を取り入れた数値シミュレーションを実行し、森田グループにおける実験結果を極めてよく再現した。また探針が誘導する表面の不可逆的な原子過程を、カーボンナノチューブ探針とSi(100)表面系等を例にして研究し、探針振動エネルギーの散逸への影響を明らかにした。さらにSi探針と水素吸着したSi探針とでnc-AFM像と力曲線が著しく異なることを明らかにした。走査散逸力顕微鏡の理論を研究し、この実験法が表面のナノ力学的な性質を検出するため有効なことを確認した。探針と相互作用するタンパク質分子など大きな分子の動力学について予備計算を実施するとともに、大規模計算に適した分子動力学計算プログラムの開発を開始した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] R.Tamura: "Relation between transmission rates and the wave functions in carbon nanotube junctions"Phys.Rev.B. 61. 8548-8560 (2000)
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[Publications] Y.Yoshimoto: "Ge (001) surface reconstruction studied using a first-principles calculation and a Monte Carlo simulation"Phys.Rev.B. 61. 1965-1970 (2000)
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[Publications] N.Sasaki: "Theoretical simulation of noncontact AFM images of Si (111) √3×√3-Ag surface based on Fourier expansion method"Appl.Surf.Sci.. 157. 367-372 (2000)
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[Publications] K.Tagami: "First-Principles study of vibrational spectra on dihydride-terminated Si (001) /H surfaces"Surface Sci.. 446. L108-L112 (2000)
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[Publications] K.Tagami: "A Tight-Binding Study of Chemical Interaction of Nanotube Tip with Si (001) Surface"J.Phys.Soc.Jpn.. 69. 3937-3942 (2000)
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[Publications] M.Gauthier: "Damping Mechanism in Dynamic Force Microscopy"Phys.Rev.Lett.. 85. 5348-5351 (2000)