1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11233101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 均 神戸大学, 医学部, 教授 (60158813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 慎一 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (10274151)
柴田 重信 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10162629)
本間 研一 北海道大学, 医学部, 教授 (40113625)
中原 大一郎 浜松医科大学, 教授 (80128389)
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Keywords | 時計遺伝子 / サーカディアンリズム / マルチ電極ディッシュ / Cry / ノックアウトマウス / リズムの消失 / アンチセンス / 体内時計 |
Research Abstract |
本プロジェクトは、分子生物学・生理学・時間生物学・行動学・精神医学などの時間機構を扱う側面を統合して、新しい情報発振系、情報伝達系を伴う「時計分子」機構を解明し、従来解析が困難であった生命現象の時間軸に沿った研究分野を切り開く事を目的とする。今回、ショウジョウバエには見られず、哺乳類に特異的な核内への時計遺伝子蛋白の移行システムを解明した。また、時計遺伝子のネガティブフィードバック機構を補助し、その振幅を増大するという新しい時計転写因子を報告した。また、ラットおよびマウスの視交叉上核をマルチ電極デッシュ上で培養する技術を用いて、個々の時計ニューロンの発射活動リズムを連続測定しながら、時計遺伝子BMAL1、Clock、Per(s)遺伝子のアンチセンスを投与し、活動リズムに対する効果から時計遺伝子の機能解析を行った。さらに、個々の時計ニューロン間の同調機序や視交叉上核としてリズム統合機序を、神経伝達物質の受容体阻害剤やチャンネル阻害財を用いて解析した。行動上、体内時計は光によりリセットされるのみならず光以外の薬物や強制運動でもリセットされる。このような光以外のリセット機構に時計遺伝子がどのように関わっているかにつき研究を開始した。その結果、セロトニン神経系の促進で出現するリセットにはPer遺伝子の急速な発現低下が伴っている事が分かった。このことは、体内時計の同調とPer遺伝子の発現制御が非常に密接な関係であることを示唆した。しかしながら、Per遺伝子発現低下が、蛋白質発現レベルでどのように反映されるのか。また、Per遺伝子発現低下は合成の低下かあるいは分解の促進か、といった点を明らかにする必要がある。3)時計遺伝子のノックアウトマウスに関する研究 時計遺伝子のCryのノックアウトマウスを用いて、視交叉上核と肝臓で、全くリズムが消失していることを発見した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Okamura, H. Et al: "Photic induction of mPer1 and mPer2 in Cry-deficient mice lacking a biological clock"Science. 286. 2531-2534 (1999)
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[Publications] Maebayashi, Y, et al: "A butative transcription factor with seven zinc-finger motifidentified in the developing suprachiosmatic nucleus by the differential display-PCR method"J. Neurosci.. 10176-10183 (1999)
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[Publications] Adachi, A, et al: "The relationship between ocular melatonin and dopamine rhythms in the pigeon: effects of melatonin inhibition on dopamine release"Brain Res.. 815. 435-440 (1999)
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[Publications] Nakahara, D, et al: "Regional differences in desensitization of c-Fos expression following repeated self-stimulation of the medial forebrain bundle in the rat"Neuroscience. 90. 1013-1020 (1999)
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[Publications] Akiyama, M, et al: "Inhibition of light- or glutamate-induced mPer1 expression represses the phase shifts into the mouse circadian locomotor and suprachiasmatic fining rhythms"J. Neurosci.. 19. 1115-1121 (1999)
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[Publications] Abe, H, et al: "Phase-dependent induction by light of rat clock gene expression in the suprachiasmatic nucleus"Mol. Brain Res.. 66. 104-110 (1999)
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[Publications] 西塚泰美、見淵弘三、丸山敬: "細胞のシグナリングSelected Reviews"中山書店. 399 (1999)
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[Publications] 海老原史樹文、深田吉孝: "生物時計の分子生物学"シュプリンガー・フェアラーク東京. 201 (1999)