1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11233204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 均 神戸大学, 医学部, 教授 (60158813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 瞬 神戸大学, 医学部, 助手 (70304087)
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Keywords | サーカディアンリズム / Cry / ノックアウトマウス / フォルスコリン / 単一細胞のリズム / mPer1ゲノム |
Research Abstract |
生物時計を構成する遺伝子を検索することにより、時計リズムの生成機構を解明するため、以下のような実験を行った。1)時計遺伝子の発現制御の研究 マウスゲノムライブラリーより、mPer1遺伝子のプロモーター領域を含む約30kbpのゲノムを単離した。この領域には、24時間周期の遺伝子発現に重要であると考えられているE-box配列(CACGTG)や、光による発現誘導に必要とされるcAMP応答配列(TGACGTCA)、AP-1配列(TGANTMA)などが多数存在することを明らかにした。また、リン酸化の有無についても検索し、通常時時計遺伝子はリン酸化されていることを見つけた。2)単細胞レベルでのリズムモニター系の開発 翻訳開始コドンより上流約7.2kbpのゲノムDNAをルシフェラーゼ遺伝子とつなぎ、GH3細胞に導入し、各種条件でプロモーター活性が変動することを示すことを明らかにした。単一細胞レベルでリズムをリアルタイムモニターできる超高感度微量光検出装置を用いたアッセイ系を開発し、ルシフェラーゼ活性が24時間周期に変動するものも見つけた。しかし、現状では、もっと短いリズムを示す細胞が多く、他の時計現象を描出できるセルラインの開発が必要と考えた。3)時計遺伝子のノックアウトマウスに関する研究 時計遺伝子Cryのノックアウトマウスを用いて、視交叉上核と肝臓で、全くリズムが消失していることを発見した。このマウスにおいては、光に対する反応性は保たれていた。4)時計細胞内シグナルに伝達系の解明cAMPを介する系を活性化するフォルスコリンを、rat-1細胞系に与えると、細胞の時計遺伝子が24時間周期で変動することをみつけた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Okamura, H., et al.: "Photic induction of mPer1 and mPer2 in Cry-deficient mice lacking a biological clock"Science. 286. 2531-2534 (1999)
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[Publications] Maebayashi, Y., et al.: "A putative transcription factor with seven zino-finger motif identified in the developing suprachiasmatic nucleus by the differential display-PCR method"J. Neurosci. 10176-10183 (1999)
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[Publications] Ibata, Y., et al.: "Functional morphology of the suprachiasmatic nucleus"Front. Neuroendocrinol.. 20. 241-268 (1999)
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[Publications] Yan, L., et al.: "Per1 and Per2 gene expression in the rat suprachiasmatic nucleus: circadian profile and the compartment-specific response to light"Neuroscience. 94. 141-150 (1999)
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[Publications] Takumi, T., et al.: "A mammalian orthologue of Drosophila timeless, highly expressed in SCN and retina, forms a complex with mPER1"Genes Cells.. 4. 67-75 (1999)
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[Publications] 岡村均、重吉康史: "生物時計の分子機構"細胞工学. 18. 698-707 (1999)
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[Publications] 西塚泰美、貝淵弘三、丸山敬: "細胞のシグナリングSelected Reviews"中山書店. 399 (1999)
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[Publications] 海老原史樹文: "生物時計の分子生物学"シュプリンガー・フェアラーク東京. 201 (1999)