2001 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類における生殖系列-体細胞系列分岐の制御機構に関する分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
11234204
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
阿部 訓也 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (40240915)
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Keywords | 未分化幹細胞 / 始原生殖細胞 / トランスジェニックマウス / cDNA解析 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
前年度までに、始原生殖細胞特異的にレポーター遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを作製し、これを指標にPGCを純粋に単離する方法論を確立した.この手法により、今年度は始原生殖細胞発生のほぼすべての段階からPGCを単離し、それを材料に16種類のcDNAライブラリーを作製した.これまで、4つのライブラリーから計6万クローンを単離し、12000クローンに関する配列決定を行った.相同性検索の結果、約半数が未知遺伝子であり、また既知遺伝子の中にも、始原生殖細胞において発現することが知られていなかったものも多く含まれていた.in situ hybridization法を用いて未知遺伝子192クローンに関して精巣での発現を調べたところ、89クローンにおいて発現が認められ、その中に始原生殖細胞特異的な発現を示すクローンも同定された.このように、PGC cDNAライブラリー中には新規遺伝子、PGC特異的発現を示す遺伝子が多数含まれることが明らかとなり、始原生殖細胞遺伝子解析のための恒久的研究資源として非常に有用なものと考えられる.さらに大規模PCR解析により多数の遺伝子のPGC発生過程における発現プロファイルを調べ、同様の発現パターンを持つ遺伝子群の分類を行ったところ、初期の移動期PGCにおいて高発現し、生殖隆起到達後発現が減少する遺伝子クラスター、生殖隆起到達後、新規に発現がみられる遺伝子群、その後、減数分裂が開始する頃になり、雌雄のPGCで発現が異なる遺伝子群など、いくつかのクラスターが存在することが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Isono, K., Abe, K., Tamaru, Y.et al.: "Molecular cloning, genetic mapping, and expression of mouse Sf3b1 (SAP155) gene for the U2 snRNP component of spliceosome"Mammalian Genome. 12. 192-198 (2001)
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[Publications] Tada, M., Takahama, Y., Abe, K.et al.: "Nuclear reprogramming of somatic cells by in vitro hybridization with ES cells"Current Biology. 11. 1553-1558 (2001)
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[Publications] Yoshida, S., Ohbo, K., Takakura, A., et al.: "Sgn1, a basic helix-loop-helix transcription factor delineates the salivary gland duct cell lineage"Dev. Biol.. 240. 517-530 (2001)
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[Publications] Li, Z.Z., Kondo, T., Murata, T.et al.: "Expression of Hqk encoding a KH RNA binding protein is altered in human glioma"Jpn. J. Cancer Res.. 93. 1-12 (2002)