2003 Fiscal Year Annual Research Report
メダカBACクローン末端配列の高密度ゲノムマッピング
Project/Area Number |
11236210
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 実 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80202175)
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Keywords | メダカ / ゲノム / マッピング / BAC / 連鎖地図 |
Research Abstract |
メダカ純系2系統(HNI/AA2)のゲノム多型に基づき、メダカゲノムSTSマーカーの単離とそれを用いた物理地図作製を行った。まず(CA)repeatをもつゲノム断片を単離、塩基配列を決定し、100-250塩基対のゲノム断片がPCRで増幅できるような864個の蛍光プライマーを作製した。また4,212個のメダカ人工染色体(BAC)の末端塩基配列情報より、同様にして蛍光プライマーを設計・作製した。これらのプライマーを用いてHNI/AA2のゲノムを増幅し調べたところ、(CA)repeat配列を元にしたプライマーでは約20%以上において、BAC末端塩基配列を元にしたプライマーにおいては約15%の長さの多型が検出された。選抜されたプライマー607個を用いてHNI/AA2タイピングパネルでタイピングを行い、24の連鎖群に分かれるメダカゲノムSTSマーカーを連鎖地図上にマップし物理地図を作製した。 現在まで、メダカ染色体位置情報としてESTが精力的にマップされてきた。またゲノム塩基を元にした情報としてはanonymous markerが公開されてきたが、無作為に単離されたゲノムSTS情報としてはこれが初めて事となる。連鎖地図上の殆どの交差領域内にこれらのSTSはマップされたため、BACのアンカリング情報として、またゲノム塩基配列研究者が任意のゲノム領域を特定しようとするとき有力なツールとなる。これらのプライマー塩基配列と染色体上の位置は公開される。 anonymous markerから推測された各染色体の物理的長さは連鎖番号と共に短くなる傾向を示していたが、STS markerによる結果では第2、13、19,24番連鎖群に位置するSTS marker数が少なく、結果として短い物理距離を示した。また長い連鎖群としては第23連鎖群が約70Mbを示した(平均33Mb)。組み換え抑制位置は雌雄間で異なり、雄は中央付近で抑制される傾向が見られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Naruse, K., Tanaka, M., Mita, K., Shima, A., Postlethwait, J., Mitani, H.: "A Medaka Gene Map : The Trace of Ancestral Vertebrate Proto-chromosomes Revealed by Comparative Gene Mapping."Genome Research. (in press). (2004)
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[Publications] Okubo, K., Ishii, S., Ishida, J., Mitani, H., Naruse, K., Kondo, M., Shima, A., Tanaka, M., Asakawa, S., Shimizu, N., Aida, K.: "A novel third gonadotropin-releasing hormone receptor in the medaka Oryzias latipes evolutionary and functional implications."Gene. 314. 121-131 (2003)
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[Publications] 田中実, 木下政人, 青木裕美子, 中村修平: "RNA翻訳制御による生殖細胞形成:メダカを中心に"細胞工学. 22(10). 1074-1076 (2003)
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[Publications] 田中実, 木下政人: "メダカの細胞1つ1つを光らせて生殖腺形成機構を解明する -生殖細胞系列特異的にRNA翻訳制御を指示するエレメントがわかった-"化学と生物. 41(5). 210-213 (2003)
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[Publications] 田中実, 友永健士, 木下政人, 若松祐子: "遺伝子機能解析のためのポストゲノム実験動物メダカ"生物物理誌. 43. 93-96 (2003)
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[Publications] Kinoshita, M, Tanaka, M.: "Transgenic medaka as a model for fish biology and aquaculture. In Aquatic Genomics : Steps Towards a Great Future. (N.Shimizu, T.Aoki, I.Hirono and F.Takashima (eds.))"9 (2003)