核から細胞質への蛋白質輸送とシグナル伝達

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11237201
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 福田 真 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (60283678)
• Keywords: 核外移行 / シグナル伝達 / NES

Research Abstract

昨年度までに、線虫を用いた核・細胞質間輸送を観察する系を確立している。核局在化シグナル(NLS)または核外移行シグナル(NES)とGFPとの融合遺伝子を構築し、線虫で発現させた。核のサイズが比較的大きいintestine cellで、核内移行および核外移行がきれいに観察できた。この系を用いて、核外移行に関わる遺伝子群のRNAiを行いそれぞれの遣伝子機能を破壊した。低分子量Gタンパク質Ranに対するRNAiを行ったところ、NLSによる核内移行の阻害のみならず、卵細胞における染色体の位置に異常が観察された。そこで、Ranの細胞内局在を間接単光抗体法で検討したところ、Ranは細胞分裂期の中期から後期にかけてキネトコア局在を示していた。また、Ranは終期から間期にかけて核膜に存在し、Ranに対するRNAiによって核膜形成にも異常が見られた。したがって、Ranが、染色体とキネトコア微小管の結合ならびに核膜形成にin vivoで関与することが示唆された。

Research Products

• [Publications] Bamba, C., Bobinnec, Y., Fukuda, M., Nishida, E.: "The GTPase Ran Regulates Chromosome Positioning and Nuclear Envelope Assembly In Vivo"Curr Biol.. 12. 503-507 (2002)