2001 Fiscal Year Annual Research Report
カドヘリンによる細胞間接着に起因するシグナルの核内移行機構
Project/Area Number |
11237207
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小澤 政之 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90136854)
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Keywords | 細胞接着分子 / カドヘリン / 細胞質ドメイン / α-カテニン / β-カテニン / アクチン / p27kip1 / LEF-1 |
Research Abstract |
本研究では、α-カテニン依存性のシグナル伝達とβ-カテニンの関与したシグナル伝達に分けて研究を遂行した。 [α-カテニン依存性のシグナルと核への伝達] カドヘリン陽性でかつα-カテニン遺伝子に変異を持ためα-カテニン陰性である細胞(DLD-1細胞)でα-カテニンを発現させると、アポトーシスに対する抵抗性を増大させることを発見した。このときいかなるシグナルが発せられているのかを明らかにする目的で実験を行い、次の事柄を明らかにした。1)α-カテニン機能領域の同定を行った。2)α-カテニンがシグナルを送っている時にカドヘリンによる細胞間接着は必要ないことが判明した。3)α-カテニンの下流にp27kip1が存在することが明らかになった。いかなる機構でα-カテニンの発現がp27kip1の量を増大させるのかは現在のところ不明である。 [β-カテニンの関与したシグナルと核への伝達] β-カテニンとGFPの融合タンパク質のコンストラクト(GFP-β-カテニンΔN1)を作製し、これを安定に発現する細胞のクローンでβ-カテニンの細胞内での動態を調べた。その結果、GFP-β-カテニンΔN1は転写因子LEF-1発現細胞(LEF-1 L細胞)では核内での存在が認められたが、親株のL細胞、あるいはβ-カテニン結合部位であるアミノ末端領域を欠失したLEF-1発現細胞(LEF-1ΔN L細胞)では、核への集積は認められるものの、LEF-1 L細胞に比べてその程度が著しく低いことが判明した。核から細胞質への輸送機構を阻害するレプトマイシンBを使ったところ、これらの細胞でもβ-カテニンの核内集積が部分的に認められたことから、これらの細胞ではβ-カテニンは核に移行しているのだが、そこに保持されず、核外に輸送されているものと考えられた。
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[Publications] Ozawa, M.: "Tyrosine phosphorylation of p120^<ctn> in v-Src transfected cells depends on its association with E-cadherin and reduces adhesion activity"J. Cell Sci.. 114・3. 503-512 (2001)
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[Publications] Baki, L.: "Presenilin-1 binds cytoplasmic epithelial caddherin, inhibits cadherin/p120 association, and regulates stability and function of the cadherin/catenin adhesion complex"Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.. 98・5. 2381-2386 (2001)
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[Publications] Matsubara, S: "Expression of α-catenin in α-catenin-deficient cells increases resistance to sphingosine-induced apoptosis"J. Cell Biol.. 154・3. 573-584 (2001)