2000 Fiscal Year Annual Research Report
S複合遺伝子座の構造と葯発現遺伝子のS特異性の解析
Project/Area Number |
11238202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西尾 剛 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30301039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 欽哉 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20183882)
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Keywords | Sハプロタイプ / 花粉側認識分子 / 塩基配列 / 多様性 / 種分化 / 認識特異性 / 自家不和合性 / 不和合性強度 |
Research Abstract |
B.oleraceaとの18種類のSハプロタイプの花粉側認識分子の遺伝子SP11の塩基配列を決定しB.rapaと比較した。SP11はきわめて多様性に富み、SRKの比較から種分化前に同じであったと考えられるSハプロタイプのペアー間では、SP11の塩基配列の相同性も高いことを見いだした。種分化前同じであったと考えられるBoS-7とBrS-46の認識特異性を種間雑種を作出して検定したところ、これらは相互に不和合であり、種分化前の認識特異性が現在も保持されていることが分かった。 B.rapaのクラスII SRKのS領域の塩基配列を決定し、既報のクラスII SRKと比較したところ、互いの相同性はクラスI内の比較より高いことから、クラスIIの成立はクラスIの成立より新しいことを示唆した。 B.nigraのSLG遺伝子を解析しB.oleraceaやB.rapaと比較したところ、B.oleraceaのSLGとB.rapaのSLGとの間のように類似するものはなかったものの、系統樹において独自のグループを形成しなかったことから、これらの種が分化する前にSLG遺伝子の多様化が起こっていたことが分かった。自家和合性の複二倍体種であるBrassica napusやB.juncea,B.carinataのSLG遺伝子も解析し、これらは、B.oleraceaやB.rapaと極めて類似するSLG遺伝子を保有することを明らかにした。 B.rapaのS-46のSRKとSP11を含む78kbのDNA断片をクローニングし、物理地図を作成し、遺伝子の位置と向きを明らかにした。B.rapaのS-46と同一のSハプロタイプであったと推定されるB.oleraceaのS-7のSRK,SP11,SLGを含むファージのクローンを単離し、S遺伝子座の構造の比較を行った。 イエローサルソンで自家和合性をもたらすm遺伝子はアクアポリン遺伝子と密に連鎖していることが明らかなため、'おそめ'のゲノムクローンの塩基配列情報を元に、クロモゾームウォーキングを行うため、バイナリーベクターで巨大DNAのライブラリーを作成した。 クラスIとクラスIIでは、不和合性の強度に差があることが知られているが、クラスIの中でも強度に差があることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Suzuki T,Kusaba M,Matsushita M,Okazaki K,Nishio T: "Characterization of Brassica S-haplotypes lacking S-locus glycoprotein."FEBS Letters. 482. 102-108 (2000)
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[Publications] Sakamoto K,Kusaba M,Nishio T: "Single seed PCR-RFLP analysis for identification of S haplotypes in commercial F1 hybrid cultivars of broccoli and cabbage."Plant Cell Rep.. 19. 400-406 (2000)
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[Publications] Suzuki G,Watanabe M,Nishio T: "Physical distances between S-locus genes in various S haplotypes of Brassica rapa and B.oleracea."Theor.Appl.Genet.. 101. 80-85 (2000)
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[Publications] Nishio T,Kusaba K: "Sequence diversity of SLG and SRK in Brassica oleracea L."Ann.Bot.. 85 Sup.A. 141-146 (2000)
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[Publications] Fukai E,Nishio T,Nasrallah M E: "Molecular genetic analysis of the candidate gene for MOD, a locus required for self-incompatibility in Brassica rapa."Mol.Gen.Genet.. (In press).
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[Publications] Okada T,Sasaki Y,Ohta R,Onozuka N,Toriyama K: "Expression of Bra r 1 gene in transgenic tobacco and Bra r 1 promoter activity in pollen of vari ous plant species."Plant Cell Physiol.. 41. 757-766 (2000)
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[Publications] Toriyama K,Tanabe M,Rashid H: "Biotechnology in Agriculture and Forestry 48 Transgenic Crops III"Springer. 352-358 (2001)