2002 Fiscal Year Annual Research Report
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11239201
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
松浦 彰 国立療養所中部病院, 長寿医療研究センター・老年病研究部, 室長 (10272692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 勝 静岡大学, 理学部, 助手 (90293597)
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Keywords | 分裂酵母 / 出芽酵母 / テロメア / ATM familyタンパク質 / MRX複合体 / 細胞周期チェックポイント |
Research Abstract |
テロメアは真核生物線状染色体の末端を構成するDNA・タンパク質複合体である。テロメア構造の維持が染色体の正常な機能にとって必須であることがすでに報告されている。我々は分裂酵母、出芽酵母を材料に、テロメアDNAの維持機構の解析を行っている。今年度、内在性のプロモーターより正常な機能をもつようにエピトープタグ(myc-tagあるいはHA-tag)を付加したATM(Tel1)およびATR(Mec1)を発現している出芽酵母株を作製し、細胞周期の各時期、または様々なテロメア異常変異株でのそれぞれのタンパク質のテロメア局在化をクロマチン免疫沈降法により解析した。その結果、Mec1pは細胞周期のS期の時期に特異的にテロメアと結合し、他の時期はMec1pの代わりにTel1pがテロメアと結合していることを明らかにした。さらに、種々の酵母変異株を用いた解析により、Tel1pの活性が低下した際にはMec1pのテロメアヘの結合が増強されること、逆にMec1pの活性が失われるとTel1pが細胞周期を通じてテロメアに結合していることが見いだされた。このことはTel1pとMec1pが相反的にテロメアに結合していることを示す。また、酵母のテロメア短縮変異株est2、yku70において、Mec1pが通常結合していない細胞周期上の時間帯にテロメアに結合していることがわかった。このことはテロメア短縮シグナルがMec1p(ATR)を介して伝達されていることを示している。細胞周期を同調した条件では、Mec1pのプロテインキナーゼ活性はS期をピークにして変動する。一方Tel1pの活性は細胞周期でさほど変動しない。さらなる解析でMec1pのキナーゼ活性はテロメア結合タンパク質のS期における置換に必須であることが明らかになった。このことから、Mec1pは複製終結のモニタリング、あるいはテロメア複製のための複合体のインテグリティー制御、のためにテロメアに局在化していることが考えられる。分裂酵母を用いた解析では、taz1破壊株のテロメア末端の1本鎖突出はRad32依存的であるが、Rad32のヌクレアーゼドメインは必要でないことを示し、Rad32依存的に未知のヌクレアーゼがテロメア末端に結合することで1本鎖突出が起こることを示唆した。また、分裂酵母Nbs1相同蛋白質を発見し、nbs1破壊株がrad50遺伝子やrad32破壊株と同様の表現型を示すことを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hayashi E, Yasui A, Oda K, Nagino M, Nimura Y, Nakanishi M, Motoyama N, Ikeda K, Matsuura A: "Loss of p27Kip1 accelerates DNA replication after partial hepatectomy in mice"J. Surg. Res.. (印刷中). (2003)
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[Publications] Gunge N, Takata H, Matsuura A, Fukuda K: "Progressive rearrangement of telomeric sequences added to both the ITR ends of the yeast linear pGKL plasmid"Biol. Proced. Online. 5. 29-42 (2003)
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[Publications] Nakashima A, Ueno M, Ushimaru T, Uritani M: "Involvement of a CCAAT-binding complex in the expression of a nitrogen-starvation-specific gene, isp6^+, in Schizosaccharomyces pombe"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 66. 2224-2227 (2002)
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[Publications] Tachibana T, Astumi S, Shioda R, Ueno M, Uritani M, Ushimaru T: "A novel non-conventional heat shock element regulates expression of MDJ1 encoding a DnaJ homolog in Saccharomyces cerevisiae"J. Biol. Chem.. 277. 22140-22146 (2002)
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[Publications] Nakashima A, Yoshida M, Nakayama K, Kato-Furuno A, Ueno M, Ushimaru T: "Genes for a nuclease and a protease are involved in the drastic decrease in cellular RNA amount in fission yeast cells during nitrogen starvation"J. Biochem.. 131. 391-398 (2002)