2002 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物染色体のS期に於ける動態の全て―出芽酵母第六染色体をモデルとして
Project/Area Number |
11239205
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
白髭 克彦 理化学研究所, ゲノム情報比較解析研究チーム, 上級研究員 (90273854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 優篤 理化学研究所, ゲノム情報比較解析研究チーム, リサーチアソシエイト
野口 英樹 理化学研究所, ゲノム情報比較解析研究チーム, 研究員 (50333349)
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Keywords | DNAチップ / 染色体ダイナミクス / 細胞周期 / チェックポイント制御 / DNA複製 / 複製開始因子 |
Research Abstract |
Affymetrix社によるDNAチップ解析装置により真核生物染色体のS期に於けるダイナミクスを解析すべく出芽酵母第六染色体を対象とした高解像度チップ(第六染色体270kbを14000本のオリゴプローブで検出)を作成した。染色体免疫沈降法により目的蛋白に結合しているDNA断片を濃縮し、蛍光でラベル後DNAchipにハイブリダイズするChIP-chip法を用い、複製阻害時におけるチェックポイント蛋白質、複製蛋白、複製領域それぞれの染色体上の配置を系統的に解析した。その結果、二重鎖切断時に切断部位にリクルートされるチェックポイント因子に加え最近、S期複製チェックポイントのメディエーター蛋白とされているTOF1、MRC1も、複製阻害時に複製領域に結合することが明らかになった。面白いことに、HU非存在下のS期においても、MRC1とTOF1のみはPOL1やDPB3等の複製因子と経時的に同様の分布を示す。これらのことは、MRC1とTOF1がチェックポイントの活性化のために複製装置の一部として機能していることを示している。MRC1或いはTOF1欠損細胞は、HU存在下で複製因子(CDC45、POL1、DPB3)が、野生型株に比べ3-4kb長い距離を動いて停止する。一方、BrdUの取り込みにより明らかとなった複製領域は野生型株と同じである。このことは、MRC1とTOF1がチェックポイントを活性化するための最初のシグナルであろうフォークの停止を引き起こすために必須であること、さらにDNA合成と複製装置の同調的な進行に必須であることを示している。MRC1とTOF1の機能は通常の複製時のフォークの一時停止にも必須で、この停止にはMEC1、RAD53は不要であった。以上のことは複製阻害時の停止はまず、MRC1およびTOF1により引き起こされ、その停止によって始めてチェックポイントが活性化されることを示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Watanabe K, Morishita J, Umezu K, Shirahige K, Maki H.: "Involvement of RAD9-dependent damage checkpoint control in arrest of cell cycle, induction of cell death, and chromosome instability caused by defects in origin recognition complex in Saccharomyces cerevisiae"Eukaryot Cell. 1. 200-212 (2002)
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[Publications] Kodama Y, Omura F, Takahashi K, Shirahige K, Ashikari T: "Genome-wide expression analysis of genes affected by amino acid sensor Ssy1p in Saccharomyces cerevisiae"Curr Genet.. 41. 63-72 (2002)
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[Publications] Tadokoro R, Fujita M, Miura H, Shirahige K, Yoshikawa H, Tsurimoto T, Obuse C: "Scheduled conversion of replication complex architecture at replication origins of Saccharomyces cerevisiae during the cell cycle"J Biol Chem.. 277. 15881-15889 (2002)