2001 Fiscal Year Annual Research Report
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11239208
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
太田 邦史 理化学研究所, 染色体動態制御研究ユニット, 副主任研究員 (90211789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 桂子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20223612)
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Keywords | 組換え / ホットスポット / 減数分裂 / 染色体 / ヒストンアセチル化 / cAMP感応配列 / ストレス応答キナーゼ / クロマチン再編成 |
Research Abstract |
1.組換え装置と複製装置の連携:複製開始点近傍に存在する組換えホットスポットのクロマチン構造を解析し、複製開始点がホットスポット周辺の開いたクロマチン構造形成に重要な役割を果たすことを明らかにした。 2.組換えとクロマチン再編成装置との関係:分裂酵母の減数分裂期組換えホットスポットade6-M26に見られるクロマチン再編成を詳しく解析し、このクロマチン再編成が有性生殖分化に関わるCREB/ATF型転写因子によって直接的に仲介されること、またストレス応答キナーゼ(SAPK)カスケードやcAMP依存性キナーゼ(PKA)経路、及び数種の減数分裂誘導因子によって制御されていることを発見した(水野ら、Genetics,2001)。またこのクロマチン再編成および組換えを開始するDNA切断反応が、Gcn5によるヒストンH3・H4のアセチル化を介して制御されている証拠を示した。 3.組換え開始因子を介した遺伝子発現制御の可能性:DNAマイクロアレイを用いてmre11遺伝子破壊株における全ゲノムの転写プロファイルを分析し、Ndt80転写因子の結合配列をプロモーターに有する一部の胞子形成関連遺伝子において、Mre11組換え開始複合体が転写活性化に関わる事を見出した。また減数分裂期にそれらの転写制御配列近傍にMre11 1が結合することを、クロマチン免疫沈降法を用いてはじめて示した。 4.出芽酵母組換え開始部位におけるクロマチン構造の網羅的解析:現在白髭班とともに、DNAマイクロアレイとChiIP on Chipを利用した効率的ヌクレオソーム・マッピング法の開発を進めた。 5.二倍体出芽酵母における染色体再編成関連因子:二倍体出芽酵母の有糸分裂期では、DNA合成にともなってDNA損傷が生じる。今回、その損傷がRad50-Mre11複合体や、Rad51組換え酵素などによって修復され、染色体の安定化が制御されている証拠を得た。これらの染色体安定化機構には、Bloom症候群相同遺伝子Sgs1やMsh1ミスマッチ修復因子による制御が重要であることを見出した。また、複製開始因子orc1の変異体を用いた実験から、染色体の不安定化をもたらす要因として、DNA合成時に生じる内在性のDNA傷害が重要であることを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.A. Farah, E. Hartsuiker, K. Mizuno, K. Ohta, G. R. Smith: "A 160 bp palindrome is a Rad50 .Rad32-dependent recombination hotspot in S. pombe"Genetics. (印刷中). (2002)
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[Publications] K. Umezu, M. Hiraoka, M. Mori, H. Maki: "Structural analysis of aberrant chromosomes that occur spontaneously in diploid Saccharomyces cerevisiae : Retrotransposon Ty1 plays a crucial role in chromosomal rearrangements"Genetics. 160. 97-110 (2002)
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[Publications] K. Mizuno, T. Hasemi, T., …, K. Ohta: "Counteracting regulation of chromatin remodeling at a fission yeast CRE-related recombination hotspot by SAPK, cAMP-dependent kinase, and meiosis regulators"Genetics. 159. 1467-1478 (2001)
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[Publications] K.N. Smith., A. Penker, K. Ohta, F. Klein, A. Nicolas: "B-type cyclins CLB5 and CLB6 control the initiation of recombination and synaptonemal complex formation in yeast meiosis"Current Biol.. 11. 88-97 (2001)
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[Publications] M.E. Fox, T. Yamada, K. Ohta, G.R. Smith: "A Family of CRE-related DNA Sequences with Meiotic Recombination Hotspot Activity in Schizosaccharomyces pombe"Genetics. 156. 59-68 (2001)