2001 Fiscal Year Annual Research Report
TSPモチーフを有するADAMファミリー分子、ADAMTS-1の機能解析
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11240204
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 助教授 (40242565)
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Keywords | ADAM / メタロプロテアーゼ / 形態形成 / C.elegans / ray / 配過行動 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
C.elegahsの器官形成、形態形成におけるADAMTSファミリーの役割を明らかにする目的で、C.elegansの新規ADAMTSファミリー遺伝子、adt-1(adamts in C.elegans)について遺伝子破壊を行なった。まずトランスポゾンTc1を用いた遺伝子破壊法により、adt-1遺伝子のうちメタロプロテアーゼドメインをコードする第8.10エクソンを欠損した変異株、adt-1(cn30)を得た。次にその表現型を解析した結果、adt-1(cn30)変異株では雄尾部の形態形成に異常があることがわかった。C.elegansの雄の尾部には、配遇行動に関わる9対のrayと呼ばれる感覚器官が存在する。wild typeの場合、それぞれのrayは細長い形状をしており、体側より放射状に伸びてた構造をしている。一方adt-1(cn30)変異株では、ray6が異常に太い形態に変化していた。また同変異株では、rayの間に異常な突起構造が高頻度で観察され、またfanの形態変化とそれに伴うrayのbendingも観察された。さらにadt-1(cn30)変異株ではmating abilityの低下と配遇行動の異常が認められることから、rayの機能の低下が推定された。またadt-1遺伝子上流域制御下のGFPレポーターを用いた発現部位の解析では、雄尾部のrayでGFPの発現がみられた。以上の結果から、C.elegansのADAMTSファミリー遺伝子、adt-1はrayをはじめとする雄尾部の形態形成に必須であるが明らかとなった。
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[Publications] Kuno K et al.: "The C. elegans ADAMTS family gene, adt-1 is necessary for morphogenesis of the male copulatory organs"The Journal of Biological Chemistry. (印刷中). (2002)
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[Publications] 久野耕嗣: "モチーフドメインリスト"生体の科学. 52. 506-507 (2001)
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[Publications] 久野 耕嗣: "分子生物学、免疫学キーワード辞典"医学書院(印刷中).