1999 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母DNAポリメラーゼεが関与するDNA複製異常認識の分子機構
Project/Area Number |
11241203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
真木 智子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (60212205)
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Keywords | DNA複製 / DNAポリメラーゼ / S期チェックポイント / 出芽酵母 |
Research Abstract |
出芽酵母DNAポリメラーゼε(Polε)は鋳型DNAに極めて安定に結合するが、この状態で別の単鎖DNA分子を認識して鋳型DNAから急速に解離する性質をもっている。本研究の目的は、このssDNA dependent Polε displacementの分子機構とその生物学的意義を明らかにすることである。特に、S期チェックポイント制御でのPolεの複製異常のセンサーとしての働きや複製開始制御におけるPolεの役割と関連に注目して研究を進めている。平成11年度は以下の項目について研究を行った。 1.ssDNA dependent Polεdisplacementに関わるPolεの構造と機能の解析 Polε複合体を構成する4つのサブユニット(Pol2,Dpb2,Dpb3,Dpb4)の遺伝子を個別にバキュロウイルス多量生産系で発現させ、DPB2,DPB3,DPB4の遺伝子産物は十分に発現することを確認した。現在はDpb2の精製に取り組んでいる。また、出芽酵母細胞を大量培養して得られた菌体からPolε複合体およびPol2のN末端部分からなるp145タンパク質を精製し、それぞれ高純度の標品を新たに取得した。さらに、今後の生化学的解析に必要なPCNA、RF-C、RPAタンパク質についても同時に精製を進め、それぞれ多量の高純度標品を取得した。 2.ssDNA dependent Polε displacement反応に影響を及ぼす諸因子の解析 Polεの鋳型DNAからの解離は単鎖DNAによって特異的に引き起こされるが、中でもある種の高次構造を持つものがより強い効果を示すことを見出した。現在はBiacoreの実験系を用いてPolεの鋳型DNAからの解離を引き起こすDNAの構造特異性を調査している。さらに、ゲルシフト法を用いて、これらの高次構造を持つDNA分子に対するPolεの結合特異性や親和性の解析を行っている。
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