1999 Fiscal Year Annual Research Report
分子間相互作用の可視化と細胞内分子定量イメージング
Project/Area Number |
11242206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
徳永 万喜洋 国立遺伝学研究所, 構造遺学研究センター, 助教授 (00192659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 由季子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (70252525)
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Keywords | 1分子イメージング / 対物レンズ型全反射照明 / 蛍光顕微鏡 / 共焦点顕微鏡 / 核輸送 |
Research Abstract |
細胞・組織における1分子イメージングのための新しい顕微鏡の開発と、対物レンズ型全反射照明型を用いた1分子イメージングによる細胞レベルでの分子動態の観察を行った。 in vitroにおける1分子蛍光イメージング技術である。対物レンズ型全反射照明法を用いると細胞や個体の表面約10μm程度まで、高感度に観察することができる。この方法を使って、核内に輸送される分子を蛍光標識し、核輸送に関係する分子のイメージングを試みた。蛋白質が核膜孔を通過する具体的な分子機構の解析は進展しておらず、複数の輸送経路に乗った分子が核膜孔を滞りなく流通する機構や制御の仕組みについては明らかにされていない。そこで、1分子蛍光イメージング法により、核膜孔に結合した輸送される分子1個1個を識別することができた。従って、核輸送の分子機構と、核膜孔の使い分けに関し、直接的な手がかりを得られると考えている。 「どの分子が、いつ、どこで、どんな分子と相互作用して、機能しているか」を解明するため、(a)1分子レベルの分解能を有する in vivo 蛍光イメージングによる、分子数の定量化・分子の空間的な分布とその時間的変化や働きの解明、(b)分子間相互作用の in vivo イメージングによる、分子間相互作用の映像化・活性化された状態の分子の可視化、を実現する新しい手法の開発を行った。 In vivo における1分子イメージングのためには、共焦点顕微鏡を高感度化することが必須であると判断した。市販製品の組み合わせでもこの高感度を実現できるが、biological に興味のある系の観察のためには、background を下げることと dynamic range を広くすることが重要であり、この点をキーワードとして、新しいタイプの共焦点顕微鏡の設計を完了し、作成を行った。
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[Publications] K.Kitamura: "A single myosin head moves along an actin filament with regular steps of 5.3 nenometers"Nature. 379. 129-134 (1999)
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[Publications] 廣島通夫: "分子間相互作用のイメージング -分子間力顕微鏡と1分子技術-"電子顕微鏡. 34(2). 151-153 (1999)
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[Publications] 徳永万喜洋: "ミオシン1分子は1個のATP分解の間に複数ステップで働く"蛋白質・核酸・酵素. 44(11). 1584-1589 (1999)
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[Publications] 徳永万喜洋: "1分子技術で観るミオシンの分子メカニズム"細胞工学. 18(11). 1641-1647 (1999)
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[Publications] 喜多村和郎: "ミオシン頭部1分子はATP分解1回で複数ステップで働く"生理物理. (印刷中). (2000)
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[Publications] 船津高志: "生命科学を拓く新しい光技術"共立出版. 186 (1999)