2001 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白が細胞膜で情報を受け取るメカニズムの可視化
Project/Area Number |
11242209
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 道行 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10199812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 量雄 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (40333504)
大場 雄介 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30333503)
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Keywords | Ras / FRET / Rap1 / G蛋白 / 低分子量G蛋白 / イメージング |
Research Abstract |
昨年度の研究で完成させた低分子量GTP結合蛋白の活性化モニターRaichu-Rasに引き続き、Raichu-Rap1を完成させ、低分子量G蛋白Rap1の活性化を生細胞で観察する系を作成した。さらに、これらのプローブの細胞内への導入を容易にするために、これらのプローブの遺伝子を有する組替えアデノウイルスおよびセミルーキ森林ウイルスを作成した。これらRaichu-RasおよびRaichu-Rap1の導入系を用いてさまざまな細胞でG蛋白RasおよびRap1の活性化の様子を観察した。上皮細胞増殖因子で刺激されたCOS細胞において、Rasの活性化は細胞膜周囲からおきるのにたいし、Rap1は細胞内のERと思われる領域において選択的に活性化されていることがわかった。共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析から、Rap1の活性化が細胞膜では抑制されていることが確認できた。一方、PC12細胞にRaichu-RasおよびRaichu-Rap1を発現させて、神経細胞成長因子で刺激したところ3時間以内においては、Rasは細胞の辺縁部の細胞膜において、Rap1は細胞内部において活性化された。12時間以降細胞が分化した状態においては、Rasの活性化は進展した神経様突起において活性化が維持されていた。Rap1の活性化は分化した細胞においては顕著ではなかった。以上の結果は、Rasファミリー低分子量G蛋白の活性が細胞内において、時間的空間的に制御されていることを示した初めての発見である。
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Research Products
(1 results)