1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11304012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
常田 佐久 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (50188603)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 敏文 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (60311180)
原 弘久 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (20270457)
柴崎 清登 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90023689)
熊谷 収可 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (50161691)
渡辺 鉄哉 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (60134631)
|
Keywords | 気球 / 硬X線 / 半導体検出器 / カドミウムテルライド / 太陽フレア |
Research Abstract |
太陽フレアで生成される大量の非熱的粒子の加速機構は、いまだ明確に理解されていない。本研究では、気球搭載用の半導体検出器を開発し、「ようこう」との同時観測を行なうことにより、この問題に決着をつけることを目的としている。平成11年度の研究は、以下の2点を重点として行った:(1)X線検出器としてすぐれた性能を持つテルル化カドミウム半導体検出器の基礎開発を行なう。(2)宇宙研の高高度気球に搭載の気球搭載用硬X線精密スペクトル計の基本設計を行った。 1cm角という大きいサイズのテルル化カドミウム(CdTe)の検出器を試作し、評価実験を行った。2回の試作と評価実験の結果、検出器を0℃以下の温度で使用することにより2.7KeVというシンチレーター検出器に比べて、3分の1ほどの分解能を達成する成果が得られた。しかし、検出器のばらつきが大きく,低温で逆に性能が悪化する素子が多かった。この原因解明と選定手順の確立のための、素子とマウントの接着方法を変更した第3試作と製造プロセスを変更した第4試作をメーカーと共同で行っているが、評価試験は平成12年度に行う予定である。 実際の気球搭載にあたっては、検出器の大面積化と高高度達成のための観測装置の軽量化が重要課題である。このため太陽姿勢計を含む姿勢系の開発を行い平成12ないし13年度の飛翔の見通しを得た。また、放電防止のための気密容器を開発し、大気圧に耐えることを確認した。X線観測窓にCFRPとRohacellのサンドイッチ構造パネルを使用し、気密を維持しつつX線には透明な窓を持つ。大気圧に耐えることを確認した。
|